変数を理解しよう
学習の目標
本章では、以下の内容を学びます。
- 変数の概念と仕組みを理解する
- 実際に変数を使ってデータを操作する方法を習得する
- 変数名のルールとベストプラクティスを学ぶ
はじめに
本章では、プログラミングの基礎的な概念である「変数」について説明します。
身近な例を使いながら、変数の仕組みを理解していきましょう。
変数とは何か
変数は、データを一時的に入れておく箱のようなものです。
たとえば、学校や駅にあるロッカーを想像してみましょう。
ロッカーには番号や名前がついており、中に物を入れたり出したりできます。
プログラミングの変数も同じように、名前をつけた箱の中にデータを入れておくことができます。
また、ロッカーの中身を取り替えられるように、変数の中身も変更できます。
変数を使ってみよう
irbを使って、実際に変数を体験してみましょう。
まずはirbを起動して、変数にデータを入れてみます。
irb(main):001:0> score = 80=> 80
この例では、以下のことが行われています。
score
が箱の名前(変数名)です。これから使いたいときはこの名前で呼び出します。
=
は右側のデータを左側の箱に入れる指示です。これを「代入」と呼びます。
80
が箱に入れる値です。この場合は数値の80を入れています。
箱に入れたデータは、変数名を使って取り出せます。
irb(main):002:0> puts score80=> nil
このように、score
という名前を指定するだけで、中に入っている値(80)を取り出して表示できました。
箱の中身は別のデータに入れ替えることもできます。
irb(main):003:0> score = 95=> 95
irb(main):004:0> puts score95=> nil
最初に入れた値(80)から新しい値(95)に入れ替わりました。このように、変数の値は「変えられる」ため、「変数」と呼ばれているのです。
変数名のルール
変数名をつけるときには、いくつかのルールがあります。
Rubyでは、変数名は小文字のアルファベットかアンダースコア(_)で始める必要があります。
使える文字は次の3種類です。
- 小文字のアルファベット (a-z)
- 数字 (0-9)
- アンダースコア (_)
使える変数名の例を見てみましょう。
irb(main):005:0> player_name = "Ruby"=> "Ruby"
irb(main):006:0> item1 = "Sword"=> "Sword"
一方で、使えない変数名もあります。
irb(main):007:0> 1player = "Ruby"SyntaxError: invalid local variable or method, unexpected '='
この例では、変数名が数字(1)で始まっているため、エラーになりました。
スネークケース
変数名が長くなるとき、Rubyでは単語と単語の間をアンダースコアでつなぎます。
これを「スネークケース」と呼びます。ヘビ(スネーク)がうねうねと這っているような見た目から、この名前が付いています。
irb(main):008:0> player_score = 100=> 100
irb(main):009:0> game_title = "Ruby Adventure"=> "Ruby Adventure"
スネークケースは、変数名を読みやすくするための規約です。Rubyの世界では、このルールに従って変数名をつける習慣があります。
変数の活用例
変数を使うと、様々な便利なことができます。いくつかの例を見てみましょう。
計算結果の保存
irb(main):010:0> width = 5=> 5irb(main):011:0> height = 3=> 3irb(main):012:0> area = width * height=> 15irb(main):013:0> puts "面積は#{area}です"面積は15です=> nil
データの一時保存
irb(main):014:0> user_name = "田中"=> "田中"irb(main):015:0> greeting = "こんにちは、#{user_name}さん!"=> "こんにちは、田中さん!"irb(main):016:0> puts greetingこんにちは、田中さん!=> nil
値の更新
irb(main):017:0> count = 0=> 0irb(main):018:0> puts "現在のカウント: #{count}"現在のカウント: 0=> nilirb(main):019:0> count = count + 1=> 1irb(main):020:0> puts "現在のカウント: #{count}"現在のカウント: 1=> nil
まとめ
本章では、Rubyの変数について学びました。
変数はデータを一時的に保存しておける箱のような機能で、プログラミングでは頻繁に使用します。
箱には名前をつけることができ、その名前を使って中身を取り出したり、入れ替えたりできます。
変数の名前をつけるときは、次のルールを覚えておきましょう。
- 小文字のアルファベットかアンダースコアで始める
- 複数の単語を組み合わせるときはスネークケースを使う
変数を上手に使えるようになると、より複雑なプログラムも書けるようになります。次の章では、変数に入れられるデータの種類について詳しく学んでいきましょう。
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