数値を扱ってみよう
学習の目標
本章では、以下の内容を学びます。
- Rubyにおける整数と小数の違いを理解する
- 四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)の方法を習得する
- 整数と小数の計算における注意点を学ぶ
はじめに
プログラミングでは、計算処理が頻繁に登場します。
前回は変数について学びましたが、今回は数値の扱い方について詳しく見ていきましょう。
整数と小数
Rubyでは、数値を「整数」と「小数」の2種類で扱うことができます。
まずはirbを起動して、整数を使ってみましょう。
irb(main):001:0> number = 42=> 42
このように、小数点のない数値が整数です。Rubyでは整数を「Integer」と呼びます。
次は小数を見てみましょう。
irb(main):002:0> price = 12.345=> 12.345
小数点を含む数値は小数として扱われます。Rubyでは小数を「Float」と呼びます。
整数と小数の特徴
整数と小数には、それぞれ特徴があります。
整数は小数点以下の値を持たず、正確な値を表現できます。例えば、人数や個数など、数え上げるものを表すのに適しています。
小数は小数点以下の値を持ち、より細かい数値を表現できます。例えば、身長や体重、価格など、測定値や連続的な値を表すのに適しています。
四則演算
数値を使った計算をしてみましょう。
Rubyでは次の記号を使って計算ができます。
irb(main):003:0> 2 + 3 # 足し算=> 5
irb(main):004:0> 7 - 4 # 引き算=> 3
irb(main):005:0> 6 * 5 # 掛け算=> 30
irb(main):006:0> 10 / 2 # 割り算=> 5
計算結果を変数に入れることもできます。
irb(main):007:0> result = 2 + 3=> 5
irb(main):008:0> puts result5
計算の優先順位
複数の演算を組み合わせると、計算の優先順位に従って処理されます。
基本的な優先順位は以下のとおりです。
- 括弧
()
- 掛け算
*
、割り算/
- 足し算
+
、引き算-
例えば、次のような計算では掛け算が先に行われます。
irb(main):009:0> 2 + 3 * 4=> 14
括弧を使うと、優先順位を変更できます。
irb(main):010:0> (2 + 3) * 4=> 20
整数と小数の計算
整数同士の計算と、小数を含む計算では、結果が異なることがあります。
特に割り算は注意が必要です。
irb(main):011:0> 5 / 2 # 整数同士の割り算=> 2
irb(main):012:0> 5.0 / 2 # 小数を含む割り算=> 2.5
整数同士の割り算では、小数点以下が切り捨てられます。これは、結果も整数になるためです。
小数点以下まで計算したい場合は、どちらかの数値を小数にする必要があります。
他の演算子
基本的な四則演算以外にも、いくつかの演算子があります。
irb(main):013:0> 10 % 3 # 剰余(余り)=> 1
irb(main):014:0> 2 ** 3 # べき乗(2の3乗)=> 8
%
演算子は割り算の余りを求めます。例えば、10 % 3
は10を3で割ったときの余り、つまり1になります。
**
演算子はべき乗を計算します。例えば、2 ** 3
は2の3乗、つまり2×2×2=8になります。
四則演算の応用例
四則演算を使った簡単な例を見てみましょう。
円の面積を計算する
irb(main):015:0> radius = 5 # 半径=> 5irb(main):016:0> pi = 3.14159 # 円周率=> 3.14159irb(main):017:0> area = pi * radius ** 2 # 円の面積の公式: π × r²=> 78.53975irb(main):018:0> puts "円の面積は#{area}です"円の面積は78.53975です
消費税を計算する
irb(main):019:0> price = 1000 # 税抜価格=> 1000irb(main):020:0> tax_rate = 0.1 # 税率 10%=> 0.1irb(main):021:0> tax = price * tax_rate # 消費税額=> 100.0irb(main):022:0> total = price + tax # 税込価格=> 1100.0irb(main):023:0> puts "税込価格は#{total}円です"税込価格は1100.0円です
まとめ
本章では、Rubyでの数値の扱い方について学びました。
整数と小数の違い、四則演算の方法について理解を深めました。
整数同士の割り算と小数を含む割り算の違いは、プログラミングでよく使う知識なので、しっかり覚えておきましょう。
次の章では、もう一つの重要なデータ型である「文字列」について学んでいきます。
Starterプランでより詳しく学習
この先のコンテンツを読むにはStarterプラン以上が必要です。より詳細な解説、実践的なサンプルコード、演習問題にアクセスして学習を深めましょう。