if文による条件分岐を学ぼう
学習の目標
本章では、以下の内容を学習します。
if文の基本的な書き方と使い方を理解するelseとelse ifを使った複数条件の分岐方法を習得する- 論理演算子(
&&、||)を使った条件の組み合わせ方法を学ぶ - 実践的な条件分岐処理の書き方を身につける
はじめに
プログラムを書いていると、「もし〜なら〜する」という条件によって処理を変えたい場面がよく出てきます。
例えば、「年齢が18歳以上なら成人向けコンテンツを表示する」「ユーザーがログインしていなかったらログイン画面を表示する」といった具合です。
JavaScriptでは、このような条件分岐をif文を使って実現できます。まずはシンプルな例から始めてみましょう。
基本的なif文
if文の基本的な書き方は以下のとおりです。
if (条件) { // 条件が true の場合に実行される処理}実際にコードを書いて試してみましょう。まずはHTMLファイルを作成してください。
index.html
<!DOCTYPE html><html><head> <title>if文を学ぼう</title></head><body> <h1>if文を学ぼう</h1> <script src="script.js"></script></body></html>script.js
const age = 20;
if (age >= 18) { console.log('成人です');}
console.log('プログラム終了');HTMLファイルをブラウザで開いて、開発者ツールのコンソールを確認してみてください。以下のような結果が表示されるはずです。
成人ですプログラム終了ここでageの値を変更してみましょう。
const age = 16;
if (age >= 18) { console.log('成人です');}
console.log('プログラム終了');この場合、コンソールには以下のように表示されます。
プログラム終了ageが16なのでage >= 18がfalseとなり、if文の中の処理は実行されません。そのため「成人です」は表示されず、次の「プログラム終了」だけが表示されます。
if-else文で条件に応じて異なる処理を実行する
「条件が満たされない場合は別の処理をしたい」という場面では、elseを使います。
const age = 16;
if (age >= 18) { console.log('成人です');} else { console.log('未成年です');}
console.log('プログラム終了');実行結果は以下のようになります。
未成年ですプログラム終了今度は年齢に応じて適切なメッセージが表示されました。age >= 18がfalseだったので、elseの部分が実行されています。
年齢を20に変更して確認してみましょう。
const age = 20;
if (age >= 18) { console.log('成人です');} else { console.log('未成年です');}
console.log('プログラム終了');実行結果:
成人ですプログラム終了今度は条件がtrueになったので、ifの部分が実行され、elseの部分はスキップされます。
複数の条件を組み合わせる - else if
3つ以上の分岐が必要な場合は、else ifを使います。例えば、年齢に応じてより細かい分類をしてみましょう。
const age = 15;
if (age >= 20) { console.log('成人(20歳以上)です');} else if (age >= 18) { console.log('成人(18-19歳)です');} else if (age >= 13) { console.log('中高生です');} else { console.log('小学生以下です');}
console.log('年齢判定終了');実行結果:
中高生です年齢判定終了ageが15なので、最初のage >= 20はfalse、次のage >= 18もfalse、3番目のage >= 13がtrueになるため、「中高生です」が表示されます。
条件は上から順番にチェックされ、最初にtrueになった条件の処理が実行されます。その後の条件はチェックされません。
年齢を変更していくつかパターンを試してみましょう。
const age = 25;
if (age >= 20) { console.log('成人(20歳以上)です');} else if (age >= 18) { console.log('成人(18-19歳)です');} else if (age >= 13) { console.log('中高生です');} else { console.log('小学生以下です');}実行結果:
成人(20歳以上)です文字列を使った条件分岐
数値だけでなく、文字列に対しても条件分岐ができます。
const weather = '晴れ';
if (weather === '晴れ') { console.log('洗濯物を外に干しましょう');} else if (weather === '雨') { console.log('傘を持って出かけましょう');} else if (weather === '曇り') { console.log('薄手の上着があると良いかもしれません');} else { console.log('天気に注意して過ごしましょう');}実行結果:
洗濯物を外に干しましょう文字列の比較では===(厳密等価演算子)を使っています。これにより、データ型と値の両方が一致する場合のみtrueになります。
weatherの値を変更して、他のパターンも確認してみましょう。
const weather = '雪';
if (weather === '晴れ') { console.log('洗濯物を外に干しましょう');} else if (weather === '雨') { console.log('傘を持って出かけましょう');} else if (weather === '曇り') { console.log('薄手の上着があると良いかもしれません');} else { console.log('天気に注意して過ごしましょう');}実行結果:
天気に注意して過ごしましょう「雪」は上記の条件のどれにも該当しないため、最後のelseの処理が実行されます。
複数の条件を組み合わせる - 論理演算子
ひとつの条件文の中で複数の条件をチェックしたい場合は、論理演算子を使います。
AND演算子(&&)
「AかつB」という条件を作るには&&を使います。
const age = 25;const hasLicense = true;
if (age >= 18 && hasLicense === true) { console.log('車を運転できます');} else { console.log('車は運転できません');}実行結果:
車を運転できますage >= 18とhasLicense === trueの両方がtrueなので、条件全体がtrueになります。
条件を変更してみましょう。
const age = 16;const hasLicense = true;
if (age >= 18 && hasLicense === true) { console.log('車を運転できます');} else { console.log('車は運転できません');}実行結果:
車は運転できません今度はage >= 18がfalseなので、hasLicenseがtrueであっても条件全体がfalseになります。
OR演算子(||)
「AまたはB」という条件を作るには||を使います。
const day = '土曜日';
if (day === '土曜日' || day === '日曜日') { console.log('休日です');} else { console.log('平日です');}実行結果:
休日ですday === '土曜日'がtrueなので、条件全体がtrueになります。OR演算子では、どちらか一方でもtrueであれば条件が成立します。
条件分岐の実践例
学んだ内容を組み合わせて、もう少し実践的な例を作ってみましょう。
const score = 85;const attendance = 90; // 出席率(%)
if (score >= 80 && attendance >= 80) { console.log('優秀な成績です');} else if (score >= 60 && attendance >= 70) { console.log('合格です');} else if (score >= 60 || attendance >= 80) { console.log('条件付き合格です');} else { console.log('不合格です');}
console.log(`テスト結果: ${score}点, 出席率: ${attendance}%`);実行結果:
優秀な成績ですテスト結果: 85点, 出席率: 90%この例では、複数の条件を組み合わせて成績判定を行っています。最初の条件では「テストが80点以上かつ出席率が80%以上」をチェックし、2番目の条件では「テストが60点以上かつ出席率が70%以上」をチェックしています。
値を変更していくつかのパターンを試してみてください。
const score = 65;const attendance = 75;この場合の実行結果:
合格ですテスト結果: 65点, 出席率: 75%まとめ
この章では、JavaScriptの条件分岐について学びました。if文を使うことで、プログラムに「判断する力」を与えることができます。
条件分岐は、ユーザーの入力に応じて異なる処理を行ったり、データの状態によって表示内容を変えたりする際に欠かせない機能です。次の章では、繰り返し処理について学んでいきます。
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