Rails の edit, update アクションを理解しよう
- 学習の目標
- はじめに
- editアクション - 既存データを編集するフォームを表示
- updateアクション - 編集内容をデータベースに反映
- edit/update と new/create の比較
- データ更新の流れを理解する
- まとめ
学習の目標
本章では、以下の内容を学習します。
- edit アクションの役割と動作原理を理解する
- update アクションの処理フローを学ぶ
- 既存データの編集と更新の仕組みを理解する
- form_with がどのように新規作成と編集で使い分けられるかを理解する
- 更新処理の成功・失敗時の挙動の違いを把握する
はじめに
前回は new, create アクションについて学びました。今回は、既存データを編集するための edit アクションと、実際に更新を行う update アクションについて学んでいきましょう。
データの更新処理は、新規作成と多くの共通点がありますが、既存データを取り扱うという点で異なる部分もあります。それぞれの役割と処理の流れを理解していきましょう。
editアクション - 既存データを編集するフォームを表示
editアクションの役割
edit アクションでは、すでに存在するレコード(データ)を1件取り出し、その内容をフォームに表示するための準備をします。コードは次のようになります。
def edit  @post = Post.find(params[:id])endこのコードでは、params[:id] で指定されたIDを持つ投稿を検索し、@post というインスタンス変数に格納しています。これにより、edit.html.erb に @post を渡し、既存のタイトルや本文をフォームに初期値として表示できます。
new アクションでは Post.new と記述することで「まっさらな投稿データ」を用意していましたが、edit では Post.find を使って「保存済みのデータ」を取得していることに注意してください。
editビューの設定
app/view/posts/edit.html.erb も開き、edit アクションのビューファイルも見ていきましょう。scaffold で作られたビューファイルは初見だと少し読みにくいので、こちらも以下の中身に書き換えてみましょう。
<h1>Editing post</h1>
<%= form_with(model: @post) do |form| %>  <div>    <%= form.label :title, style: "display: block" %>    <%= form.text_field :title %>  </div>
  <div>    <%= form.label :body, style: "display: block" %>    <%= form.text_area :body %>  </div>
  <div>    <%= form.submit %>  </div><% end %>
<br>
<div>  <%= link_to "Show this post", @post %> |  <%= link_to "Back to posts", posts_path %></div>リンクなどの違いはあれど、form_with の部分は new.html.erb と全く同じであることにお気付きでしょうか?
form_with の自動切り替え機能
form_with は、渡されるモデルオブジェクト(@post)に応じて、自動的に役割が切り替わります。
- 空のモデルオブジェクトが渡された場合:新規にデータ保存を行う(create アクション)
- 既存データのモデルオブジェクトが渡された場合:データの更新を行う(update アクション)
Railsはモデルオブジェクトが新規作成されたものか、データベースから取得した既存のものかを自動的に判断し、それに応じてフォームの送信先を変更します。
new アクションから渡される @post は Post.new で作られた新しいオブジェクトなので、フォームの送信先は create アクションになります。一方、edit アクションから渡される @post は Post.find で取得した既存のオブジェクトなので、フォームの送信先は update アクションになります。
このように、同じ form_with のコードでも、渡すオブジェクトによって動作が変わるという点がRailsの便利な特徴の一つです。
updateアクション - 編集内容をデータベースに反映
updateアクションの役割
update アクションは、edit アクションで読み込んだ既存レコードをデータベース上で更新する処理を行います。コード例は以下のようになります。
def update  @post = Post.find(params[:id])  if @post.update(post_params)    redirect_to post_path(@post), notice: "Post was successfully updated."  else    render :edit  endendまず Post.find(params[:id]) で編集対象の投稿を取得し、@post.update(post_params) でフォームから送信されたデータで更新を試みます。
更新成功時の処理
@post.update が成功すると(戻り値が true になると)、詳細画面にリダイレクトして「Post was successfully updated.」というメッセージを表示します。
redirect_to post_path(@post), notice: "Post was successfully updated."これは create アクションの成功時の処理と同じですね。post_path(@post) で投稿の詳細ページへのパスを生成し、redirect_to でそのページにリダイレクトしています。notice パラメータは、フラッシュメッセージとして「更新完了」を伝えるために使われます。
更新失敗時の処理
@post.update が失敗すると(戻り値が false になると)、編集フォームを再表示します。
render :editこれも create アクションの失敗時の処理と同じ考え方です。render :edit を使うことで、edit アクションを経由せずに直接 edit.html.erb を表示します。これにより、更新に使おうとした @post の状態をそのまま保持できるため、ユーザーが入力した内容がフォームに残ったままになります。
もし redirect_to edit_post_path(@post) のようにリダイレクトしてしまうと、edit アクションが再度実行され、データベースから @post を取得し直すため、ユーザーの入力内容が失われてしまいます。
edit/update と new/create の比較
edit/update アクションと new/create アクションには多くの共通点があります。ここで、その違いと共通点をまとめてみましょう。
共通点
- フォームの構造: どちらもほぼ同じ form_withコードを使用
- 失敗時の処理: どちらも renderを使って入力内容を保持したままフォームを再表示
- 成功時の処理: どちらも詳細ページにリダイレクトしてフラッシュメッセージを表示
違い
- データの取得方法: - new: Post.newで空のオブジェクトを作成
- edit: Post.find(params[:id])で既存のオブジェクトを取得
 
- new: 
- データの保存方法: - create: @post.saveで新規保存
- update: @post.update(post_params)で既存データを更新
 
- create: 
- フォームの送信先: - new からのフォーム: create アクションへ送信
- edit からのフォーム: update アクションへ送信
 
これらの違いは、新規作成と更新という異なる目的を反映していますが、基本的な処理の流れは非常に似ています。
データ更新の流れを理解する
ここで、editアクションからupdateアクションまでの一連の流れをおさらいしておきましょう。
- ユーザーが「Edit this post」リンクをクリックする → editアクションが実行される
- editアクションでは @post = Post.find(params[:id])で既存の投稿データを取得
- edit.html.erbで- form_with(model: @post)を使ってフォームを表示(既存の内容が入力済み)
- ユーザーがフォームの内容を編集し、送信ボタンをクリック
- フォームのデータが updateアクションに送信される
- updateアクションでは再度 @post = Post.find(params[:id])で対象の投稿を取得
- @post.update(post_params)で投稿の内容を更新
- 更新に成功したら、redirect_to post_path(@post)で詳細ページにリダイレクト
- 更新に失敗したら、render :editでフォームを再表示
この流れを理解することで、Railsのデータ更新の基本的な仕組みが見えてきます。
まとめ
本章では、Railsにおけるedit, updateアクションの役割と動作原理について学びました。
- editアクションは、既存データを取得してフォームに表示するための準備を行う
- updateアクションは、フォームから送信されたデータをもとに既存データを更新する
- form_withは、渡されるモデルオブジェクトに応じて自動的に送信先を切り替える
- 更新失敗時はrenderを使うことで、入力内容を保持したままフォームを再表示できる
- new/createとedit/updateは似た処理の流れだが、新規作成と更新という違いがある
これらの概念を理解することで、ユーザーからの入力を受け取り、既存データを更新するという基本的な処理の流れがわかります。次の章では、destroy アクションについて学んでいきましょう。