CLAUDE.md によるメモリ管理を習得しよう

Claude Code には、プロジェクトのルールや設定を永続的に記憶させる仕組みがあります。

それが CLAUDE.md です。

この Lesson では、CLAUDE.md を使った効果的なメモリ管理方法を学びます。

CLAUDE.md の仕組みを理解しよう

CLAUDE.md は、Claude Code がプロジェクトのコンテキストを理解するための「記憶ファイル」です。

プロジェクトで守るべきルールや技術スタックの情報を書いておけば、Claude Code が毎回それを参照してくれます。

AI が相手ですのでルールを確実に守ってくれるとは限らないのですが、毎回指示する手間が省けるので積極的に活用しましょう。

3つのレベルのメモリファイル

Claude Code のメモリファイルには、ファイルの配置場所によって優先順位が決まっています。

1. プロジェクトルートの CLAUDE.md(最優先)

./CLAUDE.md

チーム全体で共有したいプロジェクト固有のルール

2. .claude ディレクトリの CLAUDE.md

./.claude/CLAUDE.md

個人的なプロジェクトルール(Git で無視することが多い)

3. ホームディレクトリの CLAUDE.md(最低優先)

~/.claude/CLAUDE.md

全プロジェクトで共通して使いたい個人ルール

優先順位は上から順番です。

同じ内容が書かれていた場合は、より上位のファイルの内容が優先されます。

「プロジェクトフォルダに近い場所が優先される」と覚えておきましょう。

初めての CLAUDE.md を作ってみよう

/init コマンドで自動生成

Claude Code には便利な機能があります。

プロジェクトを分析して自動的に CLAUDE.md をプロジェクト内に作成してくれます。

以前もご紹介したコマンドですね。

> /init

このコマンドを実行すると、Claude Code がプロジェクト全体を調査し、現在の状態を反映してくれます。

そして、たとえば以下の内容を自動生成してくれます。

  • 使用している技術スタック
  • ディレクトリ構成
  • 主要な機能の概要
  • 検出されたコーディング規約

何度実行しても大丈夫なコマンドですので、大きく機能追加やフォルダ構成変更を行うたびに実行しましょう。

グローバル設定の作成

全プロジェクトで使いたい共通ルールの設定方法を見ていきます。

ホームディレクトリに設定ファイルを作成しましょう。

# ディレクトリ作成(初回のみ)
mkdir -p ~/.claude
# エディタで開く
code ~/.claude/CLAUDE.md

たとえば、フロントエンド開発をよく行う場合は、以下のようなグローバル設定から始めてみるといいでしょう。

# グローバル開発ルール
## 基本設定
- 常に日本語で返答してください
- エラーメッセージも日本語で説明してください
## コーディング規約
- テスト駆動開発(TDD)の手法で開発してください
- コミットメッセージは conventional commits 形式で書いてください
- 関数は単一責任の原則に従って小さく保ってください
## 技術的な制約
- TypeScript を使用する際は strict モードを有効にしてください
- CSS は Tailwind CSS を優先的に使用してください

メモリファイルの効果的な使い方

更新のタイミング

CLAUDE.md は生きたドキュメントです。

プロジェクトの進化に合わせて更新することが大切です。

更新すべきタイミングをまとめました。

  • 新しい技術スタックを導入したとき
  • 大きく機能追加を行ったとき
  • 重要な設計変更・フォルダ構成の変更をしたとき
  • よくあるミスや注意点を発見したとき

これらのタイミングで更新を忘れないようにしましょう。

おすすめの更新方法

場面に応じて、CLAUDE.md の更新方法をご紹介します。

  • フォルダやファイルに大きな変更があったとき:/init コマンドで自動追記
  • Claude Code での実装中に気付きがあたったとき:xxxx について CLAUDE.md に追記して と指示
  • コーディング規約や開発ルールを変えたいとき:CLAUDE.md に直接追記

トラブルシューティング

メモリファイルに関し、よくあるトラブルと解決方法をご紹介します。

CLAUDE.md が反映されない

時々、CLAUDE.md を更新しても反映されないことがあります。

そんな時の対処法を紹介します。

1. セッションをリスタート

> /exit

2. ファイルの場所を確認

# 正しい場所にあるか確認
ls -la CLAUDE.md
ls -la .claude/CLAUDE.md
ls -la ~/.claude/CLAUDE.md

メモリが大きくなりすぎた

CLAUDE.md が巨大になりすぎると問題が発生します。

毎回の読み込みでトークンを消費してしまうのです。

解決策を3つ紹介します。

  • 本当に必要な情報だけを残す
  • 詳細な実装は別ファイルに分離
  • /compact コマンドで最適化を依頼

これらの方法でメモリサイズを適切に管理しましょう。

まとめ

CLAUDE.md を使いこなすことで得られるメリットは大きいです。

今回学んだ重要なポイントを振り返りましょう。

  • 3つのレベルで優先順位がある
  • /init で簡単に始められる
  • 生きたドキュメントとして更新し続ける

次の Lesson では、より細かい制御ができる settings.json について学んでいきます。

作成者:とまだ
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