変数を使ってデータを保存しよう
学習の目標
本章では、以下の内容を学習します。
- 変数とは何かを理解する
- 変数への値の代入方法を習得する
- 変数名の命名規則を学ぶ
- 変数の値を表示する方法を身につける
変数とは何か
プログラムでは、数値や文字などのデータを一時的に保存しておく必要があることがよくあります。そのための「入れ物」のような役割を果たすのが変数です。
変数は、データを保存するための「箱」のようなものだと考えると分かりやすいでしょう。この箱には名前を付けることができ、後でその名前を使って中身を取り出したり、新しい値を入れ直したりできます。
例えば、年齢を覚えておきたい時は age
という名前の変数を作って、そこに年齢の数値を保存します。名前を覚えておきたい時は name
という変数に文字を保存します。
VS Codeで新しいファイル variable_practice.py
を作成して、変数の使い方を実際に体験してみましょう。
変数への値の代入
最初の変数を作ってみよう
変数を作って値を保存することを「代入」と呼びます。Pythonでは =
(イコール)を使って代入を行います。
age = 20
print(age)
このコードを実行してみましょう。
20
ここで何が起こっているかを詳しく説明しましょう。age = 20
という行で、age
という名前の変数を作り、そこに数値の 20
を保存しています。その後、print(age)
で変数 age
の中身を表示しています。
文字も保存できる
変数には数値だけでなく、文字も保存することができます。文字を保存する時は、文字をクォートで囲みます。
name = "太郎"
print(name)
実行結果は以下のようになります。
太郎
複数の変数を使ってみよう
一つのプログラムで複数の変数を使うこともできます。
name = "花子"
age = 25
city = "東京"
print(name)
print(age)
print(city)
実行すると、それぞれの変数の値が順番に表示されます。
花子
25
東京
変数の値を変更する
変数の大きな特徴の一つは、後から中身を変更できることです。同じ変数名に新しい値を代入すると、前の値は新しい値に置き換わります。
score = 80
print(score)
score = 95 # 新しい値を代入
print(score)
実行結果を見てみましょう。
80
95
最初は 80
が表示され、値を変更した後は 95
が表示されています。変数 score
の中身が 80
から 95
に変わったことが分かります。
変数名の命名規則
変数には自由に名前を付けることができますが、Pythonでは変数名に関していくつかのルールがあります。
使える文字
変数名には、以下の文字を使うことができます。
- アルファベット(a-z, A-Z)
- 数字(0-9)
- アンダースコア(_)
ただし、変数名の最初の文字に数字を使うことはできません。
# 正しい変数名の例
user_name = "佐藤"
age1 = 30
_count = 5
print(user_name)
print(age1)
print(_count)
使えない文字と予約語
以下のような文字や単語は変数名として使うことができません。
記号類
スペース、ハイフン(-)、ドット(.)などは使えません。
予約語
Pythonで特別な意味を持つ単語(if
、for
、print
など)は変数名として使えません。
# 良い変数名の例
user_age = 25
total_score = 100
print(user_age)
print(total_score)
分かりやすい変数名を付けよう
変数名は、その変数が何を表しているのかが分かりやすいものにしましょう。
# 分かりやすい変数名
student_name = "田中"
math_score = 85
english_score = 92
print(student_name)
print(math_score)
print(english_score)
このように、変数名を見ただけで何の情報が入っているかが分かるような名前を付けると、プログラムが読みやすくなります。
変数の値を表示する応用
文字と組み合わせて表示
変数の値をそのまま表示するだけでなく、説明文と組み合わせて表示することもできます。
name = "山田"
age = 30
print("名前:", name)
print("年齢:", age)
実行結果は以下のようになります。
名前: 山田
年齢: 30
f文字列を使った表示
より見やすい表示方法として、f文字列(エフ文字列)という方法もあります。文字列の前に f
を付けて、変数を {}
で囲みます。
name = "鈴木"
age = 28
print(f"私の名前は{name}です")
print(f"年齢は{age}歳です")
実行すると、以下のように表示されます。
私の名前は鈴木です
年齢は28歳です
実際に変数を使ってみよう
ここまで学んだ変数の使い方を組み合わせて、簡単なプログラムを作ってみましょう。
# 自己紹介プログラム
name = "あなたの名前"
hobby = "読書"
age = 22
print(f"こんにちは!{name}です")
print(f"趣味は{hobby}です")
print(f"{age}歳です")
このプログラムを実行すると、以下のような結果が表示されます。
こんにちは!あなたの名前です
趣味は読書です
22歳です
変数の値を変更すれば、表示内容も自動的に変わります。例えば、name
を "佐藤"
に変更してから実行してみてください。
name = "佐藤" # 名前を変更
hobby = "読書"
age = 22
print(f"こんにちは!{name}です")
print(f"趣味は{hobby}です")
print(f"{age}歳です")
実行結果は以下のようになります。
こんにちは!佐藤です
趣味は読書です
22歳です
まとめ
本章では、Pythonでの変数の基本的な使い方について学習しました。習得できた内容は以下の通りです。
変数がデータを保存する「箱」のような役割を果たすことを理解しました。=
を使った変数への値の代入方法と、print()
を使った変数の値の表示方法を習得しました。
また、変数名の命名規則として、アルファベット、数字、アンダースコアが使えることや、分かりやすい名前を付ける重要性を学びました。さらに、f文字列を使って変数の値を文章の中に組み込んで表示する方法も身につけました。
変数は、プログラムでデータを管理するための基本的で重要な仕組みです。これから学ぶ様々な機能でも変数を頻繁に使うことになりますので、しっかりと理解しておきましょう。
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