数値の基本操作を学ぼう
学習の目標
本章では、以下の内容を学習します。
- 整数(int)と小数(float)の違いを理解する
- 四則演算の基本的な使い方を習得する
- 演算子の種類と使い方を学ぶ
- 計算結果を変数に保存する方法を身につける
整数(int)と小数(float)
Pythonでは、数値を大きく2つの種類に分けて扱います。整数と小数です。
整数(int)
整数は、小数点がない数値のことです。正の数、負の数、そして0も整数に含まれます。
positive_number = 100
negative_number = -50
zero = 0
print(positive_number)
print(negative_number)
print(zero)
実行結果を確認してみましょう。
100
-50
0
小数(float)
小数は、小数点を含む数値のことです。Pythonでは、小数点を使って小数を表現します。
price = 150.5
temperature = -3.2
pi = 3.14
print(price)
print(temperature)
print(pi)
実行すると、以下のように表示されます。
150.5
-3.2
3.14
数値の種類を確認する
変数がどちらの種類の数値なのかを確認したい時は、type()
という関数を使います。
integer_num = 10
float_num = 10.5
print(type(integer_num))
print(type(float_num))
実行結果は以下のようになります。
<class 'int'>
<class 'float'>
int
は整数、float
は小数を意味しています。
四則演算の基本
Pythonでは、数学でよく使われる四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)を簡単に行うことができます。
足し算(+)
足し算には +
記号を使います。
a = 10
b = 5
result = a + b
print(result)
実行結果は以下のようになります。
15
引き算(-)
引き算には -
記号を使います。
a = 20
b = 8
result = a - b
print(result)
実行すると、以下のように表示されます。
12
掛け算(*)
掛け算には *
記号を使います。数学の × とは違うので注意しましょう。
a = 6
b = 7
result = a * b
print(result)
実行結果は以下のようになります。
42
割り算(/)
割り算には /
記号を使います。
a = 15
b = 3
result = a / b
print(result)
実行すると、以下のように表示されます。
5.0
割り算の結果は、整数同士を割った場合でも小数(float)になることに注意してください。
その他の便利な演算子
四則演算以外にも、Pythonには便利な演算子があります。
整数除算(//)
割り算の結果を整数で得たい時は、//
を使います。
a = 17
b = 5
result = a // b
print(result)
実行結果は以下のようになります。
3
17 ÷ 5 = 3.4
ですが、整数除算では小数部分が切り捨てられて 3
になります。
余り(%)
割り算の余りを求めたい時は、%
を使います。
a = 17
b = 5
result = a % b
print(result)
実行すると、以下のように表示されます。
2
17 ÷ 5 = 3 余り 2
なので、余りの 2
が結果として得られます。
べき乗(**)
数値の累乗(べき乗)を計算したい時は、**
を使います。
a = 2
b = 3
result = a ** b # 2の3乗
print(result)
実行結果は以下のようになります。
8
2の3乗 = 2 × 2 × 2 = 8
という計算が行われています。
計算結果を変数に保存
計算結果は変数に保存して、後で使うことができます。複雑な計算も、段階的に変数に保存しながら進めると分かりやすくなります。
基本的な計算例
# 商品の価格計算
price = 1200
tax_rate = 0.1
tax = price * tax_rate
total = price + tax
print(f"商品価格: {price}円")
print(f"消費税: {tax}円")
print(f"合計: {total}円")
実行すると、以下のような結果が表示されます。
商品価格: 1200円
消費税: 120.0円
合計: 1320.0円
変数を使った計算の組み合わせ
変数同士を使って計算することもできます。
# 長方形の面積計算
width = 8
height = 5
area = width * height
print(f"横: {width}")
print(f"縦: {height}")
print(f"面積: {area}")
実行結果は以下のようになります。
横: 8
縦: 5
面積: 40
数値の計算を組み合わせてみよう
ここまで学んだ演算子を組み合わせて、少し複雑な計算をしてみましょう。
# 平均点の計算
math_score = 85
english_score = 92
science_score = 78
total_score = math_score + english_score + science_score
subject_count = 3
average = total_score / subject_count
print(f"数学: {math_score}点")
print(f"英語: {english_score}点")
print(f"理科: {science_score}点")
print(f"合計: {total_score}点")
print(f"平均: {average}点")
このプログラムを実行すると、以下のような結果が表示されます。
数学: 85点
英語: 92点
理科: 78点
合計: 255点
平均: 85.0点
各科目の点数を足し合わせて、科目数で割ることで平均点を計算しています。
まとめ
本章では、Pythonでの数値の基本操作について学習しました。習得できた内容は以下の通りです。
整数(int)と小数(float)の違いを理解し、type()
関数で数値の種類を確認する方法を学びました。四則演算(+、-、*、/)の基本的な使い方を習得し、整数除算(//)、余り(%)、べき乗(**)といった便利な演算子も身につけました。
また、計算結果を変数に保存して、段階的に複雑な計算を行う方法も理解できました。変数と演算子を組み合わせることで、様々な数値計算をプログラムで実行できるようになります。
数値計算は、プログラミングにおいて非常に基本的で重要な機能です。今後学ぶ様々なプログラムでも数値計算を頻繁に使うことになりますので、これらの演算子をしっかりと覚えておきましょう。
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