独学プログラマーが陥る「悪い癖」と矯正方法

独学でプログラミングを学ぶ際によく見られる悪い癖と、それを矯正する具体的な方法を解説。より良いプログラマーになるための改善策を紹介します。

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独学プログラマーが陥る「悪い癖」と矯正方法

みなさん、独学でプログラミングを学んでいて、「なんか自分のコードが汚い気がする」と感じたことはありませんか?

独学でプログラミングを学ぶことは素晴らしいことですが、体系的な指導を受けずに学習を進めると、知らず知らずのうちに「悪い癖」が身についてしまうことがあります。

この記事では、独学プログラマーが陥りがちな悪い癖と、それを矯正する具体的な方法について詳しく解説します。現在の自分のコーディングスタイルを見直して、より良いプログラマーを目指しましょう。

独学プログラマーの特徴と問題点

独学のメリット

独学でプログラミングを学ぶことには、多くのメリットがあります。

自分のペースで学習できることや、好きな技術を選んで学べること、コストを抑えられることなどが挙げられます。

独学のデメリット

一方で、独学には体系的な指導を受けられないというデメリットもあります。

このため、基礎的な知識が抜け落ちたり、間違った方法を覚えてしまったりすることがあります。また、自分のコードを客観的に評価してもらう機会が少ないのも問題です。

よくある悪い癖とその原因

変数名・関数名の命名が適当

独学プログラマーに最も多い悪い癖は、変数名や関数名の命名が適当ということです。

// 悪い例
let a = 10;
let b = 20;
function calc(x, y) {
return x + y;
}

このような命名では、後でコードを見返したときに何をしているのか分からなくなってしまいます。

コメントが全くない

コメントを書かないのも典型的な悪い癖です。

「今は覚えているから大丈夫」と思って、説明コメントを書かずにコードを書き進めてしまうことがあります。しかし、数日後、数週間後にコードを見返すと、何をしているのか分からなくなることがよくあります。

関数が長すぎる

一つの関数に多くの処理を詰め込んでしまうことも問題です。

独学では「動けばOK」という考えになりがちで、関数の分割やモジュール化を意識しないことがあります。

エラーハンドリングを軽視

エラーハンドリングをしないのも危険な癖です。

「うまくいく前提」でコードを書いてしまい、想定外の状況に対する対処を考えないことがあります。

命名規則の改善方法

意味のある名前をつける

変数名や関数名は、その役割を明確に表現する名前をつけましょう。

// 良い例
let userAge = 25;
let maxScore = 100;
function calculateTotalPrice(price, tax) {
return price * (1 + tax);
}

このように、名前を見ただけで何をしているのか分かるようにしましょう。

統一した命名規則を使う

プロジェクト全体で統一した命名規則を使うことも重要です。

JavaScriptならキャメルケース(camelCase)、Pythonならスネークケース(snake_case)など、言語やプロジェクトの慣習に合わせて統一しましょう。

略語の使用を避ける

略語の使用は最小限に抑えることをおすすめします。

usrよりusercalcよりcalculateのように、分かりやすい完全な単語を使いましょう。

コメントの効果的な書き方

「なぜ」を説明する

コメントでは、コードの**「なぜ」を説明**することが大切です。

// 悪い例:「何を」しているかを説明
let discount = price * 0.1; // 価格に0.1をかける
// 良い例:「なぜ」そうするかを説明
let discount = price * 0.1; // 新規顧客には10%割引を適用

複雑な処理に説明を加える

複雑なアルゴリズムや計算には、必ず説明コメントを追加しましょう。

// 二分探索でターゲットの位置を見つける
// 配列がソート済みであることを前提とする
function binarySearch(arr, target) {
// 実装内容...
}

TODO コメントの活用

TODOコメントを活用して、後で対応すべき項目を記録しましょう。

// TODO: エラーハンドリングを追加
// TODO: パフォーマンスの最適化

関数の分割とモジュール化

単一責任の原則

関数は一つの責任だけを持つようにしましょう。

// 悪い例:複数の責任を持つ関数
function processUserData(userData) {
// データの検証
// データの変換
// データの保存
// 結果の返却
}
// 良い例:責任を分割
function validateUserData(userData) { /* 検証処理 */ }
function transformUserData(userData) { /* 変換処理 */ }
function saveUserData(userData) { /* 保存処理 */ }

関数の長さを制限

関数の長さは20-30行程度に収めることを目標にしましょう。

それ以上長くなる場合は、処理を分割できないか検討してください。

再利用可能な関数を作る

再利用可能な関数を意識して作りましょう。

同じような処理を複数箇所で書くのではなく、共通の関数として切り出すことが大切です。

エラーハンドリングの実装

try-catch文の活用

try-catch文を使って、エラーが発生する可能性のある処理を適切に処理しましょう。

try {
let result = riskyOperation();
console.log(result);
} catch (error) {
console.error('エラーが発生しました:', error.message);
// 適切な処理を行う
}

入力値の検証

入力値の検証を必ず行いましょう。

function calculateArea(width, height) {
if (width <= 0 || height <= 0) {
throw new Error('幅と高さは正の値である必要があります');
}
return width * height;
}

適切なエラーメッセージ

エラーメッセージは具体的で分かりやすいものにしましょう。

「エラーが発生しました」ではなく、「ユーザーIDが見つかりません」のように、具体的な内容を示すことが重要です。

コードレビューの重要性

他者による客観的評価

他者による客観的評価を受けることで、自分では気づかない問題を発見できます。

オンラインコミュニティやプログラミング仲間に、コードレビューを依頼してみましょう。

既存コードの読み込み

優れたオープンソースプロジェクトのコードを読むことも勉強になります。

GitHubで人気のプロジェクトを見て、プロの書くコードの特徴を学びましょう。

セルフレビューの習慣

セルフレビューの習慣をつけることも大切です。

コードを書いた後に、一度時間を置いてから見直すことで、問題点を発見できることがあります。

継続的な学習と改善

基礎知識の補強

独学では抜け落ちがちな基礎知識を補強しましょう。

データ構造やアルゴリズム、設計パターンなどの基礎的な知識は、良いコードを書くために必要不可欠です。

最新の技術動向をキャッチアップ

最新の技術動向を定期的にキャッチアップしましょう。

技術ブログや公式ドキュメントを読んで、新しい手法や改善された方法を学ぶことが大切です。

小さな改善を積み重ねる

小さな改善を積み重ねることが重要です。

一度にすべてを変えようとするのではなく、一つずつ悪い癖を改善していきましょう。

実践的な改善ステップ

現在のコードを見直す

まず、現在のコードを客観的に見直すことから始めましょう。

この記事で紹介した悪い癖に当てはまるものがないか、チェックしてみてください。

改善計画を立てる

具体的な改善計画を立てましょう。

「今月は命名規則を改善する」「来月はコメントを充実させる」など、段階的に改善していくことが大切です。

新しいコードから適用

新しく書くコードから改善した手法を適用しましょう。

既存のコードを一気に修正するのは大変なので、新しいコードから良い習慣を身につけることから始めることをおすすめします。

まとめ

独学プログラマーが陥りがちな悪い癖には、命名規則の問題、コメント不足、関数の肥大化、エラーハンドリングの軽視などがあります。

これらの問題を解決するためには、意味のある命名、適切なコメント、関数の分割、エラーハンドリングの実装などが重要です。

一度にすべてを改善しようとするのではなく、一つずつ着実に改善していくことが大切です。また、他者からのフィードバックを求めることで、より客観的な改善ができるでしょう。

独学でプログラミングを学ぶことは素晴らしいことです。今回紹介した改善方法を実践して、より良いプログラマーを目指してくださいね。継続的な学習と改善によって、必ずスキルアップできるはずです。

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