Pythonインタプリタって何?初心者が知っておきたい基本と実践的な使い方
こんにちは、とまだです。
Pythonを始めたばかりの頃、「インタプリタ」という言葉に戸惑いませんでしたか?
私も最初は「インタプリタって何だろう」と首をかしげていました。 でも実は、Pythonを動かすための必須アイテムなんです。
今回は現役のエンジニアとして、Pythonインタプリタの基本から実践的な使い方までを解説します。
Pythonインタプリタは「通訳者」
Pythonインタプリタを一言で表すなら「通訳者」です。
私たちが書いたPythonコードを、コンピュータが理解できる言葉に翻訳してくれます。 まるで外国語を話す友人との間に立つ通訳者のような存在ですね。
例えば、こんなコードを書いたとします。
print("Hello, World!")
このコードをインタプリタが読み取って、画面に文字を表示する命令に変換してくれるわけです。
プログラミング言語には大きく2つのタイプがあります。 コンパイラ型とインタプリタ型です。
Pythonはインタプリタ型に分類されます。 コードを一行ずつ読んで、その場で実行してくれるんです。
これってすごく便利なんですよ。 なぜなら、書いたコードをすぐに試せるから。
失敗してもすぐに修正できます。 だから初心者にとって学びやすい言語なんです。
2つの使い方:スクリプトモードと対話型シェル
Pythonインタプリタには2つの使い方があります。
まず1つ目が「スクリプトモード」。 ファイルにコードを書いて実行する方法です。
2つ目が「対話型シェル」。 コマンドを一つずつ入力して、その場で結果を確認する方法です。
どちらも便利ですが、使い所が違います。 詳しく見ていきましょう。
スクリプトモード:まとまった処理を書くとき
スクリプトモードは、レシピ本を作るようなものです。
料理の手順を最初から最後まで書いておいて、あとは手順通りに実行するだけ。 プログラムも同じです。
以下のようにファイルを作って実行します。
# hello.py というファイルに保存
print("こんにちは")
print("Pythonの世界へようこそ!")
ターミナルで以下のコマンドを実行すると、メッセージが表示されます。
python hello.py
まとまった処理を書くときは、このスクリプトモードが便利です。 何度でも同じ処理を実行できますからね。
対話型シェル:ちょっと試したいとき
対話型シェルは、電卓のような使い方ができます。
ターミナルでpython
と入力すると、こんな画面が出てきます。
>>>
ここに直接コードを入力できます。
>>> 2 + 3
5
>>> print("すぐに結果が出る!")
すぐに結果が出る!
計算したいときや、ちょっとした動作確認をしたいとき。 そんな場面で大活躍します。
終了するときはexit()
と入力します。
覚えておくと便利ですよ。
実務での使い分けのコツ
実際の開発現場では、どう使い分けているのでしょうか。
私の経験では、こんな感じで使い分けています。
対話型シェルを使うとき:
- 新しいライブラリの動作確認
- 簡単な計算や文字列処理
- APIのレスポンス確認
- エラーの原因調査
スクリプトモードを使うとき:
- 本番用のプログラム作成
- 定期的に実行する処理
- 複数人で共有するコード
- バージョン管理するコード
つまり、試したいときは対話型シェル。 残しておきたいときはスクリプトモード。
こんな風に考えると分かりやすいですね。
日常業務での活用例
データ分析での使い方
データ分析の現場では、両方をうまく使い分けます。
まず対話型シェルでデータを確認します。
>>> import pandas as pd
>>> df = pd.read_csv("data.csv")
>>> df.head()
データの中身を確認して、処理方法を考えます。 そして、処理が決まったらスクリプトにまとめます。
こうすることで、効率的に作業を進められます。
Web開発での検証作業
Web開発では、APIの動作確認によく使います。
>>> import requests
>>> response = requests.get("https://api.example.com/data")
>>> response.status_code
200
レスポンスが正しく返ってくるか。 データの形式は想定通りか。
こういった確認を素早くできるのが強みです。
初心者が気をつけたいポイント
Pythonのバージョン問題
環境によってはpython
とpython3
が別物として扱われます。
確認方法は簡単です。
python --version
Python 2.xが表示されたら、python3
を使いましょう。
最新の機能を使うためにも、Python 3.xがおすすめです。
仮想環境の大切さ
プロジェクトごとに環境を分けることを「仮想環境」といいます。
部屋を片付けるときに、引き出しで分類するようなものです。 プロジェクトAの道具とプロジェクトBの道具を混ぜないようにします。
仮想環境を作ると、ライブラリのバージョン違いで悩まなくなります。 最初は面倒に感じるかもしれません。
でも、慣れてくると手放せなくなりますよ。
エラーが出たときの対処法
「ModuleNotFoundError」というエラーをよく見かけます。
これは「そのライブラリが見つからない」という意味です。 原因は主に2つ。
- ライブラリをインストールしていない
- 違う環境で実行している
まずはpip list
でインストール済みのライブラリを確認しましょう。
そして、正しい仮想環境で実行しているかチェックします。
便利な機能を活用しよう
help()関数で調べる
分からない関数があったら、help()で調べられます。
>>> help(print)
関数の使い方が表示されます。 ドキュメントを開かなくても、その場で確認できるんです。
履歴機能で効率アップ
対話型シェルでは、上矢印キーで過去のコマンドを呼び出せます。
同じコマンドを何度も入力する必要がありません。 地味ですが、かなり便利な機能です。
タブ補完で入力ミスを防ぐ
途中まで入力してTabキーを押すと、候補が表示されます。
スペルミスを防げますし、入力も速くなります。 使えるようになると手放せません。
まとめ
Pythonインタプリタは、私たちのコードを実行してくれる大切な存在です。
対話型シェルでサクッと試して、スクリプトモードでしっかり書く。 この使い分けができると、開発効率が格段に上がります。
最初は対話型シェルから始めてみてください。 慣れてきたら、少しずつスクリプトモードも使ってみる。
そうやって一歩ずつ進んでいけば、必ず使いこなせるようになります。
プログラミングは試行錯誤の連続です。 でも、Pythonインタプリタがあれば怖くありません。
間違えてもすぐに修正できる。 それがPythonの魅力の一つです。
ぜひ、手を動かしながら学んでいってください。
著者について

とまだ
フルスタックエンジニア
Learning Next の創設者。Ruby on Rails と React を中心に、プログラミング教育に情熱を注いでいます。初心者が楽しく学べる環境作りを目指しています。
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