Pythonの実行方法を初心者向けにわかりやすく解説
こんにちは、とまだです。
Pythonでプログラムを書いたけど、どうやって動かすの?
そんな疑問を持っていませんか?
実はPythonの実行方法には、いくつかの種類があります。
それぞれに特徴があり、状況によって使い分けることで効率的に開発を進められます。
今回は、Pythonプログラムを実行するさまざまな方法について、初心者の方でも理解できるように丁寧に解説していきます。
Pythonの実行方法は大きく分けて2つ
Pythonプログラムを実行する方法は、大きく分けて以下の2つがあります。
- ファイルとして保存したスクリプトを実行する方法
- インタラクティブモード(対話型シェル)で実行する方法
料理に例えると、レシピを見ながら料理を作るのが「スクリプト実行」。
一方、味見しながら調味料を足していくのが「インタラクティブモード」のイメージです。
それぞれの特徴を理解して、目的に応じて使い分けることが大切です。
コマンドラインからPythonファイルを実行する
最もベーシックな実行方法が、コマンドラインからの実行です。
基本的な実行手順
まず、簡単なPythonプログラムを作ってみましょう。
# hello.py
print("Hello, Python!")
print("プログラミングを楽しもう!")
このファイルを保存したら、以下の手順で実行します。
- ターミナル(WindowsならコマンドプロンプトやPowerShell)を開く
- ファイルが保存されているディレクトリに移動
- 以下のコマンドを実行
python hello.py
実行結果:
Hello, Python!
プログラミングを楽しもう!
シンプルですね。
これが最も基本的なPythonの実行方法です。
よくあるエラーと対処法
「python: command not found」というエラーが出る場合があります。
これはPythonがインストールされていないか、パスが通っていないことが原因です。
以下を試してみてください。
# Python3の場合
python3 hello.py
# フルパスで指定する場合(Windows)
C:\Users\username\AppData\Local\Programs\Python\Python39\python.exe hello.py
インタラクティブモード(対話型シェル)を使った実行
インタラクティブモードは、Pythonコードを1行ずつ実行できる便利な機能です。
インタラクティブモードの起動
ターミナルで python または python3 と入力してEnterを押します。
python
>>>
>>> が表示されたら、インタラクティブモードが起動しています。
実際に使ってみる
>>> print("こんにちは")
こんにちは
>>> x = 10
>>> y = 20
>>> x + y
30
>>>
このように、コードを入力するとすぐに結果が表示されます。
ちょっとした計算や、新しい関数の動作確認をしたいときに便利です。
インタラクティブモードの終了
終了するときは exit() または quit() を入力します。
>>> exit()
WindowsならCtrl+Z、Mac/LinuxならCtrl+Dでも終了できます。
IDEやテキストエディタからの実行
開発効率を上げるなら、IDEやテキストエディタからの実行がおすすめです。
VSCodeでの実行方法
人気のエディタVSCodeを例に説明します。
- VSCodeにPython拡張機能をインストール
- Pythonファイルを開く
- 右上の「▶」ボタンをクリック
または、ファイルを開いた状態で Ctrl+F5(Mac: Cmd+F5)を押すと実行できます。
デバッグ機能も使えるので、エラーの原因を見つけやすいというメリットがあります。
PyCharmでの実行方法
PyCharmは、Python専用の高機能IDEです。
- プロジェクトを作成
- Pythonファイルを作成
- 右クリック → 「Run 'ファイル名'」を選択
または、Shift+F10(Mac: Ctrl+R)で実行できます。
仮想環境の管理も簡単にできるため、大規模な開発に向いています。
Jupyter Notebookでの実行
データ分析や機械学習の分野でよく使われるのが、Jupyter Notebookです。
Jupyter Notebookの起動
jupyter notebook
ブラウザが自動的に開き、Notebookの画面が表示されます。
セル単位での実行
Jupyter Notebookの特徴は、セル単位でコードを実行できることです。
# セル1
import numpy as np
data = np.array([1, 2, 3, 4, 5])
Shift+Enter でセルを実行すると、次のセルに移動します。
# セル2
mean = np.mean(data)
print(f"平均値: {mean}")
実行結果:
平均値: 3.0
グラフの表示もインラインで確認できるため、データの可視化に便利です。
仮想環境での実行
プロジェクトごとに異なるパッケージを管理するなら、仮想環境を使いましょう。
仮想環境の作成と有効化
# 仮想環境の作成
python -m venv myenv
# 有効化(Windows)
myenv\Scripts\activate
# 有効化(Mac/Linux)
source myenv/bin/activate
プロンプトに (myenv) が表示されたら、仮想環境が有効になっています。
仮想環境でのPython実行
(myenv) python script.py
仮想環境内でインストールしたパッケージのみが使用されるため、環境の衝突を防げます。
コマンドラインオプションを活用する
Pythonコマンドには便利なオプションがいくつかあります。
-i オプション:実行後にインタラクティブモードへ
python -i script.py
スクリプト実行後、変数の状態を保ったままインタラクティブモードに入れます。
デバッグに便利です。
-m オプション:モジュールとして実行
# HTTPサーバーを起動
python -m http.server 8000
# JSONファイルを整形して表示
python -m json.tool data.json
標準ライブラリのモジュールを直接実行できます。
スクリプト実行 vs インタラクティブモード
どちらを使うべきか迷ったときの判断基準をまとめました。
スクリプト実行が向いている場合
- プログラムを保存して後で再利用したい
- 複数のファイルで構成されるプロジェクト
- 定期的に実行する自動化スクリプト
- 他の人と共有したい
インタラクティブモードが向いている場合
- ちょっとした計算や確認
- 新しいライブラリの動作テスト
- デバッグ時の変数確認
- 学習時の実験
実践的な使い分けの例
実際の開発では、これらの実行方法を組み合わせて使います。
Webアプリケーション開発の場合
# app.py
from flask import Flask
app = Flask(__name__)
@app.route('/')
def hello():
return "Hello, Flask!"
if __name__ == '__main__':
app.run(debug=True)
実行:
python app.py
開発中はデバッグモードで実行し、本番環境では別の方法で起動します。
データ分析の場合
Jupyter Notebookで探索的にデータ分析を行い、最終的なスクリプトは.pyファイルにまとめます。
# analysis.py
import pandas as pd
import matplotlib.pyplot as plt
def analyze_data(filepath):
df = pd.read_csv(filepath)
# データ分析処理
return results
if __name__ == '__main__':
results = analyze_data('data.csv')
print(results)
自動化スクリプトの場合
定期実行するスクリプトは、cronやタスクスケジューラから呼び出します。
# backup.py
import shutil
import datetime
def backup_files():
today = datetime.date.today()
source = '/path/to/source'
dest = f'/path/to/backup/{today}'
shutil.copytree(source, dest)
print(f"バックアップ完了: {dest}")
if __name__ == '__main__':
backup_files()
よくあるトラブルと解決方法
モジュールが見つからないエラー
ModuleNotFoundError: No module named 'requests'
対処法:
pip install requests
仮想環境を使っている場合は、有効化されているか確認してください。
文字化けする場合
日本語を含むファイルで文字化けする場合は、ファイルの先頭に以下を追加します。
# -*- coding: utf-8 -*-
または、Python3ではデフォルトでUTF-8なので、ファイルの保存形式を確認してください。
実行権限がない場合(Mac/Linux)
chmod +x script.py
./script.py
ただし、ファイルの先頭にシェバン(#!/usr/bin/env python3)が必要です。
まとめ
Pythonの実行方法について、基本から実践的な使い方まで解説しました。
重要なポイントをおさらいすると、このようになります。
- コマンドライン実行:最も基本的で汎用的な方法
- インタラクティブモード:ちょっとした確認や学習に便利
- IDE/エディタ:開発効率を大幅に向上
- Jupyter Notebook:データ分析や可視化に最適
- 仮想環境:プロジェクトごとの環境管理に必須
それぞれの特徴を理解して、目的に応じて使い分けることが大切です。
最初は基本的なコマンドライン実行から始めて、徐々に便利なツールを取り入れていくことをおすすめします。
Pythonの実行方法をマスターして、快適な開発環境を構築していきましょう。
著者について

とまだ
フルスタックエンジニア
Learning Next の創設者。Ruby on Rails と React を中心に、プログラミング教育に情熱を注いでいます。初心者が楽しく学べる環境作りを目指しています。
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