Gitのタグを共有する!git tag pushで効率的なバージョン管理を実現する方法
こんにちは、とまだです。
開発中に「このバージョンがどのコミットだったか分からない」と困ったことはありませんか?
コミットが増えていくと、どれがリリース版なのか探すのが大変ですよね。
そんなときに便利なのがGitのタグ機能です。
今回は、タグをチームで共有するための「git tag push」について解説します。
タグとは?身近な例で理解する
タグは、本のしおりのようなものです。
重要なページにしおりを挟んでおけば、すぐにそのページを開けますよね。
同じように、Gitでも重要なコミットにタグという目印をつけられるのです。
たとえば「v1.0.0」というタグをつければ、そのコミットが初回リリース版だとすぐに分かります。
なぜタグの共有が必要なのか
ローカルでタグをつけただけでは、他のメンバーには見えません。
まるで自分だけのメモ帳に書いた情報のようなものです。
チーム全員で同じタグを参照するには、リモートリポジトリへの共有が必要になります。
そこで使うのが「git tag push」というコマンドです。
git tag pushの基本的な使い方
まずはタグを作成する
現在のコミットにタグをつける基本的なコマンドです。
git tag v1.0.0
これで「v1.0.0」というタグが作成されます。
過去のコミットにタグをつけたい場合は、コミットIDを指定します。
git tag v1.0.0 <コミットID>
特定のコミットを指定してタグをつけることができます。
タグをリモートに送信する
作成したタグをリモートに送るには、以下のコマンドを使います。
git push origin v1.0.0
これでリモートリポジトリにタグが反映されます。
チームメンバーも同じタグを参照できるようになります。
複数のタグをまとめて送信
複数のタグがある場合、まとめて送信することもできます。
git push origin --tags
ただし、不要なタグまで送信してしまう可能性があります。
重要なタグだけを選んで送信する方が安全です。
タグの種類を理解する
Gitには2種類のタグがあります。
それぞれ特徴が異なるので、用途に応じて使い分けましょう。
軽量タグ
シンプルにコミットに名前をつけるだけのタグです。
追加情報は含まれません。
注釈付きタグ
メッセージや作成者情報を含められるタグです。
git tag -a v1.0.0 -m "初回リリース版"
より詳細な情報を残したい場合は、こちらを使います。
実務でのタグ活用方法
リリース管理を明確にする
「v1.0.0」「v1.1.0」「v2.0.0」のように、バージョンごとにタグをつけます。
どのコミットがどのリリースに対応するか、一目で分かります。
後から「あのバージョンのコードを確認したい」というときも簡単です。
不具合対応を効率化する
本番環境で問題が発生したとき、タグがあれば素早く対応できます。
git checkout v1.0.0
このコマンドで、特定のバージョンのコードに切り替えられます。
問題のないバージョンに戻すことで、一時的に不具合を回避できます。
CI/CDパイプラインとの連携
タグのプッシュをトリガーにして、自動ビルドやデプロイを実行できます。
「v1.0.0」タグがプッシュされたら、自動的に本番環境へデプロイする。
このような自動化の仕組みと相性が良いのもタグの特徴です。
タグ管理でよくある質問
タグの一覧を確認したい
現在のタグ一覧は以下のコマンドで確認できます。
git tag --list
特定のパターンに一致するタグだけを表示することもできます。
git tag --list "v1.*"
v1で始まるタグだけを表示できます。
間違えてつけたタグを削除したい
ローカルのタグを削除するには以下のコマンドを使います。
git tag -d v1.0.0
リモートのタグも削除する場合は、追加の操作が必要です。
git push origin :v1.0.0
削除は他のメンバーに影響するので、慎重に行いましょう。
他の人がつけたタグが見えない
リモートのタグを取得するには、以下のコマンドを実行します。
git fetch --all --prune --tags
これで最新のタグ情報を取得できます。
タグ運用のベストプラクティス
タグ名のルールを決める
チームで統一したルールを作ると混乱を防げます。
セマンティックバージョニング(v1.0.0形式)がよく使われます。
メジャー、マイナー、パッチの3つの数字で管理する方法です。
タグをつけるタイミングを明確にする
リリース前なのか、リリース後なのか。
チームで認識を合わせておくことが大切です。
メッセージを丁寧に書く
注釈付きタグを使う場合、意味のあるメッセージを残しましょう。
「何が変わったのか」を簡潔に記録しておくと便利です。
まとめ
git tag pushを使えば、重要なコミットに目印をつけて共有できます。
バージョン管理が明確になり、チーム開発がスムーズになります。
リリース管理や不具合対応など、様々な場面で活用できる機能です。
基本的な使い方を覚えて、プロジェクトに合った運用方法を見つけていきましょう。
著者について

とまだ
フルスタックエンジニア
Learning Next の創設者。Ruby on Rails と React を中心に、プログラミング教育に情熱を注いでいます。初心者が楽しく学べる環境作りを目指しています。
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