Git タグ(tag)で過去のバージョンに切り替える方法とは?初心者向け徹底解説
こんにちは、とまだです。
プロジェクトで過去のバージョンを確認したいとき、どうしていますか?
コミットIDを探して切り替えるのは、なかなか大変ですよね。
そこで便利なのが Gitタグ です。
タグを使えば、特定のバージョンに名前を付けて管理できます。
まるで本に付箋を貼るような感覚で、重要なポイントを記録できるんです。
今回は、タグを使った切り替え方法を詳しく解説していきます。
Gitタグとは?本に付箋を貼るようなもの
Gitタグは、特定のコミットに名前を付ける機能です。
図書館の本に付箋を貼って、重要なページをマークする。
それと同じように、プロジェクトの重要な地点を記録できます。
たとえば「v1.0」というタグを付ければ、リリース版がすぐに見つかります。
コミットIDは英数字の羅列で覚えにくいですよね。
しかしタグなら、意味のある名前で管理できるんです。
なぜタグが便利なのか
タグの最大のメリットは わかりやすさ です。
「あのときのリリース版はどれだっけ?」
そんな疑問も、タグがあれば一発で解決します。
また、タグは一度作ったら基本的に変更されません。
ブランチのように新しいコミットが追加されることもないんです。
つまり、確実に特定の時点の状態を保持できるということ。
これがタグの強みなんですね。
タグの確認はシンプル
プロジェクトにどんなタグがあるか確認する方法は簡単です。
git tag
このコマンドを実行すると、タグの一覧が表示されます。
たくさんのタグがある場合は、検索もできます。
git tag -l "v1*"
これで「v1」で始まるタグだけを表示できます。
必要なバージョンを素早く見つけられますね。
タグへの切り替えは2つの方法がある
特定のタグに切り替える方法は主に2つあります。
方法1:git checkout を使う
従来からある方法です。
git checkout v1.0
これで「v1.0」タグの状態に切り替わります。
方法2:git switch を使う
新しいGitでは、こちらが推奨されています。
git switch v1.0
どちらを使っても結果は同じです。
ただし、注意点が1つあります。
タグをチェックアウトすると「分離HEAD」という状態になるんです。
この状態でコミットすると、ブランチに紐づかないコミットができてしまいます。
そのため、修正作業をする場合は次の方法を使いましょう。
修正作業をするなら新しいブランチを作る
過去のバージョンで修正作業をしたい場合があります。
そんなときは、タグから新しいブランチを作成しましょう。
git checkout v1.0
git checkout -b fix/v1-hotfix
まずタグに切り替えて、そこから新しいブランチを作ります。
これで安全に修正作業ができるようになりました。
ブランチに紐づいているので、コミットも問題ありません。
実務でタグはこう使われる
リリース時の記録として
新しいバージョンをリリースするとき。
必ずタグを付けておくことが重要です。
なぜなら、不具合が見つかったときにすぐに戻れるから。
「リリース直後に重大なバグが!」
そんな緊急事態でも、タグがあれば安心です。
すぐにリリース版の状態を再現できます。
過去バージョンの調査に
「半年前のバージョンで動いていた機能が動かない」
こんな報告を受けることもあるでしょう。
タグがあれば、該当バージョンをすぐに確認できます。
コミット履歴を延々と探す必要はありません。
効率的に原因調査ができるんです。
タグ運用のコツ
命名規則を統一する
チームでタグを使うなら、命名規則は大切です。
たとえば以下のようなルールがあります。
v1.0.0のようなセマンティックバージョニングrelease-20250221のような日付形式sprint-15のようなスプリント番号
統一されていれば、誰でも理解しやすくなります。
検索もしやすくなるので、作業効率が上がりますね。
重要なポイントには必ずタグを
「とりあえずコミットだけしておこう」
これだけでは、あとで探すのが大変です。
リリースや重要な作業の区切りには、必ずタグを付けましょう。
未来の自分やチームメンバーが助かります。
よくあるトラブルと解決法
タグが見つからない
「タグを作ったはずなのに表示されない」
これは、リモートにプッシュし忘れている可能性が高いです。
git push origin --tags
このコマンドでタグをリモートに送信できます。
また、他の人が作ったタグを取得する場合は以下を実行します。
git fetch --tags
これでリモートのタグを取り込めます。
切り替え時の変更が残る
作業中のファイルがある状態でタグに切り替えると問題が起きます。
変更をコミットするか、一時的に退避させましょう。
git stash
git checkout v1.0
stashで変更を退避してから切り替えれば安全です。
あとで git stash pop で変更を戻せます。
まとめ
Gitタグを使えば、バージョン管理がぐっと楽になります。
重要なポイントに名前を付けて、いつでも戻れる。
まさに本の付箋のような便利な機能です。
特にリリース管理や不具合調査では欠かせません。
タグの付け方も切り替え方も、実はとてもシンプルです。
ぜひプロジェクトで活用してみてください。
きっと開発効率が向上するはずです。
著者について

とまだ
フルスタックエンジニア
Learning Next の創設者。Ruby on Rails と React を中心に、プログラミング教育に情熱を注いでいます。初心者が楽しく学べる環境作りを目指しています。
著者の詳細を見る →