git stash popとは？初心者でもわかる使い方と実務での活用法

こんにちは、とまだです。

開発中に「急な別タスクで今の作業を中断しなければならない」という経験、ありませんか？

まだコミットできる状態じゃないけど、今の変更を残しておきたい。

そんなときに便利なのがgit stashです。

今回は、一時保管した変更を取り出すgit stash popについて解説します。

git stash popとは？

git stash popは、一時保管していた変更を現在のブランチに適用し、stashから削除するコマンドです。

料理に例えると、冷蔵庫に一時保管していた食材を取り出して使うようなものです。

使った後は冷蔵庫から消えるので、スッキリ整理できます。

なぜgit stash popが必要なのか

開発現場では、こんな場面がよくあります。

• 機能開発中に緊急のバグ修正依頼が来た
• レビュー指摘の修正中に別のPRの確認を頼まれた
• 実験的な変更を試したいが、今の作業を失いたくない

コミットするほどでもない中途半端な状態。

そんなときにgit stashで一時保管し、用事が済んだらgit stash popで作業を再開できるのです。

基本的な使い方

最もシンプルな使い方から見ていきましょう。

変更を一時保管して取り出す

# 変更を一時保管
git stash

# 別の作業をする...

# 保管した変更を取り出す
git stash pop

たったこれだけです。

git stash popを実行すると、最新のstashが適用されます。

stashの中身を確認する

複数のstashがある場合は、まず確認しましょう。

# stashの一覧を表示
git stash list

# 結果例
stash@{0}: WIP on feature: ヘッダーのスタイル調整
stash@{1}: WIP on feature: ログイン機能の実装途中
stash@{2}: WIP on main: READMEの更新

最新のstashがstash@{0}です。

番号が若いほど新しいstashになります。

特定のstashを取り出す

最新以外のstashを取り出したい場合は、番号を指定します。

# 2番目のstash（ログイン機能）を取り出す
git stash pop stash@{1}

指定したstashが適用され、リストから削除されます。

実務でよく使うシーン

現場でよく遭遇する具体的な使用例を紹介します。

シーン1：緊急対応での作業切り替え

# feature/user-profileブランチで作業中
# まだコミットできない状態

# 緊急バグの連絡が！
git stash save "ユーザープロフィール画面の作業途中"

# バグ修正用のブランチに切り替え
git checkout -b hotfix/critical-bug

# バグ修正してマージ完了

# 元のブランチに戻る
git checkout feature/user-profile

# 作業を再開
git stash pop

メッセージ付きでstashすると、後で何の作業だったか分かりやすくなります。

シーン2：実験的な変更を試す

# 現在の実装を一時保管
git stash

# 別のアプローチを試してみる
# ...実験的なコードを書く...

# やっぱり元の方が良かった
git checkout .

# 元の実装を復元
git stash pop

新しいアプローチを試すときに、元のコードを安全に保管できます。

シーン3：レビュー対応中の割り込み

# PRのレビュー指摘を修正中
git stash

# 別のPRのレビューを依頼される
git checkout other-feature-branch

# レビュー完了

# 元の作業に戻る
git checkout my-feature-branch
git stash pop

レビュー対応の途中でも、スムーズに作業を切り替えられます。

git stash popとgit stash applyの違い

よく混同されるgit stash applyとの違いを理解しておきましょう。

git stash pop

• stashを適用する
• 適用後、stashから削除される
• 使い終わったstashは自動的に整理される

git stash apply

• stashを適用する
• 適用後もstashに残る
• 同じstashを複数回使いたいときに便利

# applyの例：stashを残したまま適用
git stash apply stash@{0}

# 同じstashをもう一度使える
git stash apply stash@{0}

# 不要になったら手動で削除
git stash drop stash@{0}

基本的にはpopを使い、特別な理由があるときだけapplyを使うのがおすすめです。

よくあるエラーと対処法

コンフリクトが発生した場合

stashを適用するときに、現在のコードと競合することがあります。

git stash pop
# エラー: 自動マージに失敗しました

対処法は通常のコンフリクト解決と同じです。

1. コンフリクトしたファイルを開く
2. 競合箇所を手動で修正
3. git addでステージング
4. 作業を続ける

コンフリクトが発生した場合、stashは自動的に削除されないので安心してください。

ワーキングディレクトリがクリーンでない場合

git stash pop
# エラー: ローカルの変更により、stashの適用ができません

現在のディレクトリに未コミットの変更がある場合のエラーです。

対処法：

# 現在の変更も一時保管
git stash

# 元のstashを適用
git stash pop stash@{1}

# 最新の変更を適用
git stash pop

stashが見つからない場合

git stash pop stash@{5}
# エラー: stash@{5}は有効なstashではありません

存在しない番号を指定した場合のエラーです。

git stash listで確認してから実行しましょう。

実践的なTips

1. わかりやすい名前を付ける

# 悪い例
git stash

# 良い例
git stash save "ログイン画面のバリデーション追加途中"

後で見返したときに、何の作業だったかすぐ分かります。

2. stashの中身を確認してから適用

# stashの変更内容を確認
git stash show -p stash@{0}

# 問題なければ適用
git stash pop stash@{0}

予期しない変更を適用してしまうリスクを減らせます。

3. 定期的にstashを整理

# 不要なstashを削除
git stash drop stash@{3}

# すべてのstashを削除（注意！）
git stash clear

古いstashが溜まると管理が大変になります。

定期的に整理しましょう。

まとめ

git stash popは、一時保管した変更を取り出して削除する便利なコマンドです。

主なポイント：

• 最新のstashを適用して削除する
• 番号指定で特定のstashを取り出せる
• コンフリクトが発生してもstashは残る
• applyとの使い分けを理解する

緊急対応や実験的な変更など、現場では頻繁に使うコマンドです。

基本的な使い方をマスターして、効率的な開発フローを実現しましょう。