【Git】git fetchを理解する!リモートの変更を安全に確認する方法

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こんにちは、とまだです。

チーム開発で「リモートの最新状態を確認したいけど、今の作業が消えたら困る」と思ったことはありませんか?

実はGitには、作業中の内容を守りながら最新情報だけを取得できる便利なコマンドがあるのです。

今回はgit fetchについて、初心者でもわかるように解説していきます。

git fetchとは?

git fetchを一言で表すなら「偵察」です。

例えば、友達と共同で日記を書いているとしましょう。 相手が何を書いたか気になりますよね。

でも、自分が書いている途中の内容に、いきなり相手の文章が混ざったら困ります。

git fetchは「相手が書いた内容をメモに書き写す」ようなものです。 実際の日記には反映させず、別のメモで確認できるんです。

つまり、リモートリポジトリの最新情報を取得しますが、作業中のブランチには影響を与えません。

これがgit pullとの大きな違いです。 pullは「取得して即座に統合」しますが、fetchは「取得するだけ」なのです。

なぜgit fetchが必要なのか

チーム開発では、複数人が同時に作業を進めています。

誰かが新機能を追加したり、バグを修正したりしているかもしれません。 その変更内容を把握しないまま作業を続けると、後で大きな衝突が起きる可能性があります。

でも、いきなりpullして自分の作業と混ぜるのはリスクが高いですよね。

そこでgit fetchの出番です。 安全に最新情報を確認してから、必要な部分だけを取り込めます。

実際の開発現場では、以下のような場面で活躍します。

朝一番の状況確認として使うケースです。

  • 夜間に他のメンバーが作業した内容を確認
  • 重要な変更がないかチェック
  • 自分の作業に影響する更新を把握

マージ前の安全確認にも使えます。

  • プルリクエストを出す前に最新状態を確認
  • コンフリクトが起きそうな箇所を事前に発見
  • 統合のタイミングを見極める

このように、git fetchは「情報収集」のための重要なツールなのです。

基本的な使い方

では、実際にgit fetchを使ってみましょう。

最もシンプルな形は以下のコマンドです。

git fetch origin

このコマンドで、originというリモートから最新情報を取得します。 実行後も、現在作業中のブランチは何も変わりません。

取得した情報を確認するには、リモート追跡ブランチを見ます。

git log origin/main --oneline

これで、リモートのmainブランチがどこまで進んでいるか確認できます。 自分のローカルと比較して、どれくらい差があるか把握しましょう。

複数のリモートがある場合は、全部まとめて取得することも可能です。

git fetch --all

大規模プロジェクトでは複数のリモートを使うこともあります。 そんなときは、このコマンドで一括更新できて便利です。

便利なオプション

git fetchには、より効率的に使うためのオプションがあります。

リモートで削除されたブランチを整理する

開発が進むと、不要になったブランチがリモートで削除されることがあります。

でも、ローカルにはその情報が残ったままです。 これを整理するのが--pruneオプションです。

git fetch --prune

このコマンドで、リモートに存在しないブランチの追跡情報を削除します。 定期的に実行すると、リポジトリがスッキリ保てます。

実行前に確認する

「本当に大丈夫かな」と不安なときは、--dry-runが便利です。

git fetch --dry-run

実際には何も変更せず、何が起きるかだけを表示してくれます。 初めて使うリポジトリや、重要な操作の前に使うと安心です。

git pullとの使い分け

git fetchとgit pullの違いを、もう少し詳しく見てみましょう。

git pullは「fetch + merge」を一度に実行します。 便利ですが、予期しない変更が混ざるリスクもあります。

一方、git fetchは情報取得のみです。 取得後に内容を確認してから、必要に応じてマージできます。

実務では、以下のような使い分けがおすすめです。

安全重視の場合は、fetchを使います。

  1. まずfetchで最新情報を取得
  2. 差分を確認して影響を把握
  3. 問題なければマージ

スピード重視の場合は、pullでも構いません。

  • 自分だけで作業している個人プロジェクト
  • 他の人と作業範囲が完全に分かれている
  • コンフリクトのリスクが低い状況

状況に応じて使い分けることが大切です。

コンフリクトを防ぐ活用法

git fetchを使った、コンフリクト予防の実践的な方法を紹介します。

事前チェックの手順

まず、最新情報を取得します。

git fetch origin

次に、自分のブランチとリモートの差分を確認します。

git diff HEAD origin/main

このコマンドで、どのファイルにどんな変更があるか分かります。 同じファイルを編集していたら、コンフリクトの可能性があります。

変更内容を把握したら、適切なタイミングでマージします。

git merge origin/main

もしコンフリクトが起きても、事前に把握していれば落ち着いて対処できます。

日常的な確認習慣

毎朝の作業開始時に、以下の流れを習慣化するのがおすすめです。

  1. git fetchで最新情報を取得
  2. git logで更新内容を確認
  3. 重要な変更があれば内容を詳しくチェック
  4. 必要に応じて自分の作業計画を調整

この習慣があれば、大きなトラブルを防げます。

よくある質問と回答

fetchしたのに何も変わらない?

git fetchは見た目には何も変わりません。 リモート追跡ブランチが更新されるだけなので、正常な動作です。

変更を確認するには、以下のコマンドを使いましょう。

git log --all --oneline --graph

これで、すべてのブランチの状態が視覚的に確認できます。

fetchとcloneの違いは?

cloneは「リポジトリ全体を新規作成」するコマンドです。 初回のみ使用し、以降はfetchやpullで更新します。

すでにリポジトリがある状態でcloneを実行すると、別のフォルダに新しいリポジトリができてしまいます。

fetchの頻度はどれくらいがいい?

プロジェクトの活発さによりますが、基本的には以下がおすすめです。

アクティブな開発中なら、1日1〜2回は実行しましょう。

  • 朝の作業開始時
  • 大きな作業の区切りで
  • プルリクエストを出す前

メンテナンスフェーズなら、週1回程度でも十分です。

まとめ

git fetchは「安全に最新情報を確認する」ための重要なコマンドです。

作業中のブランチを守りながら、リモートの状態を把握できます。 これにより、予期しないコンフリクトを防ぎ、スムーズな開発が可能になります。

今回紹介した使い方を参考に、日々の開発に取り入れてみてください。 特に朝一番のfetchを習慣化すると、チーム開発がより円滑に進むはずです。

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著者について

とまだ

とまだ

フルスタックエンジニア

Learning Next の創設者。Ruby on Rails と React を中心に、プログラミング教育に情熱を注いでいます。初心者が楽しく学べる環境作りを目指しています。

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