Git commitのコメント、何を書けばいいの?初心者向けに解説します
こんにちは、とまだです。
みなさん、Git でコミットするとき「コメントに何を書けばいいんだろう...」と手が止まったことはありませんか?
「Fix」とか「Update」だけじゃダメなのかな。 でも、長々と書くのも違う気がする...。
そんな悩み、実はすごくよくあるんです。
今回は現役のエンジニア、そして元プログラミングスクール講師としての経験から、Git commit コメントの書き方について解説します。
この記事を読めば、実務で「なるほど、こう書けばいいのか!」と納得できるコメントが書けるようになりますよ。
Git commit コメントとは?
Git でファイルの変更を記録するとき、必ず書くのがコミットコメントです。
でも、これって何のためにあるんでしょうか。
実は、コミットコメントは「変更の履歴を残すメモ帳」のようなものなんです。
たとえば、日記を想像してみてください。 「今日は何かした」だけ書いてあっても、後で見返したときに何をしたか思い出せませんよね。
それと同じで、コミットコメントも具体的に書いておかないと、後で困ることになります。
なぜコメントが大切なのか
開発の現場では、自分以外の人もコードを見ます。
そして、自分自身も1ヶ月後には「あれ、なんでこう変更したんだっけ?」となることがよくあります。
だからこそ、変更の理由や内容を残しておくことが大切なんです。
特に、以下のような場面で役立ちます。
まず、バグが発生したとき。 「いつ、どこを変更したか」がわかれば、原因を特定しやすくなります。
次に、コードレビューのとき。 他の人が変更内容を理解しやすくなり、スムーズに進みます。
最後に、新しいメンバーが参加したとき。 過去の変更履歴から、プロジェクトの経緯を理解できます。
基本的な書き方
では、実際にどう書けばいいのでしょうか。
最もシンプルな形は、こんな感じです。
git commit -m "ユーザー登録機能を追加"
でも、これだけだと少し情報が足りないかもしれません。
なぜなら「どんな機能?」「なぜ追加したの?」という疑問が残るからです。
もう少し詳しく書くなら
実務では、もう少し具体的に書くことが多いです。
たとえば、こんな風に。
git commit -m "ユーザー登録機能を追加(メールアドレス認証付き)"
これなら「メールアドレス認証がある登録機能」ということがわかりますね。
さらに詳しく書きたい場合は、複数行で書くこともできます。
git commit
# エディタが開くので、以下のように書く
ユーザー登録機能を追加
- メールアドレス認証機能を実装
- パスワードの強度チェックを追加
- エラーメッセージの表示を改善
こうすると、何をどう変更したかが一目瞭然です。
実務でよく使うパターン
開発現場では、コメントの先頭に「種類」を表すキーワードを付けることがあります。
これは、変更の内容をパッと見て判断できるようにするためです。
新機能を追加したとき
新しい機能を追加したときは「feat:」や「add:」を付けます。
git commit -m "feat: 商品検索機能を追加"
こうすることで「あ、新機能だな」とすぐわかります。
バグを修正したとき
バグ修正の場合は「fix:」を使います。
git commit -m "fix: ログイン時のエラーを修正"
バグ修正だとわかれば、レビューする人も注目すべきポイントがわかりやすくなります。
ドキュメントを更新したとき
README などの文書だけを変更した場合は「docs:」を使います。
git commit -m "docs: インストール手順を更新"
コードに変更がないことがわかるので、レビューも簡単になります。
英語?日本語?どっちがいい?
「コメントは英語で書くべき?」という質問もよく聞きます。
実は、これに正解はありません。 チームの状況によって変わるんです。
英語で書くメリット
英語で書くと、世界中の開発者と共有しやすくなります。
また、Git のコマンドも英語なので、統一感が出ます。
git commit -m "Add user authentication feature"
日本語で書くメリット
一方、日本語なら細かいニュアンスを正確に伝えられます。
特に日本人だけのチームなら、誤解が生じにくいです。
git commit -m "ユーザー認証機能を追加(二段階認証対応)"
大切なのは、チーム全員が理解できることです。
無理に英語にして意味が伝わらないより、日本語で正確に伝えるほうが良い場合もあります。
良いコメントを書くコツ
ここまで基本的な書き方を見てきました。
でも「結局、どう書けばいいの?」と思う方もいるでしょう。
そこで、実務で役立つコツをいくつか紹介します。
短すぎず、長すぎず
コメントは「50文字前後」が読みやすいと言われています。
短すぎると情報不足。 長すぎると読みづらい。
ちょうどいい長さを意識しましょう。
「何を」「なぜ」を意識する
良いコメントには「何を変更したか」と「なぜ変更したか」が含まれています。
たとえば、こんな感じです。
# 良い例
git commit -m "検索結果の表示件数を10件から20件に変更(ユーザー要望対応)"
# 悪い例
git commit -m "変更"
未来の自分に向けて書く
コミットコメントは「3ヶ月後の自分へのメッセージ」だと思って書きましょう。
今は覚えていても、時間が経てば忘れてしまいます。
だから「これを見れば思い出せる」レベルで書くのがおすすめです。
よくある間違い
初心者の方がやりがちな間違いもあります。
これらを避けるだけで、コメントの質がグッと上がりますよ。
抽象的すぎるコメント
# 避けたい例
git commit -m "修正"
git commit -m "更新"
git commit -m "変更"
これでは何を修正したのかわかりません。
コードの内容をそのまま書く
# 避けたい例
git commit -m "if文を追加"
git commit -m "変数名をuserからcustomerに変更"
コードを見ればわかることは書かなくてOKです。
それより「なぜそうしたか」を書きましょう。
複数の変更を1つにまとめる
# 避けたい例
git commit -m "ログイン機能追加、バグ修正、デザイン変更"
できれば、1つのコミットには1つの変更だけにしましょう。
そのほうが後から見返しやすくなります。
便利な機能を使ってみよう
Git には、コミットコメントを書きやすくする機能があります。
コミットテンプレート
毎回同じような項目を書くなら、テンプレートを作っておくと便利です。
テンプレートがあれば、書き忘れも防げます。
-a オプション
変更したファイルを自動でステージングしてくれるオプションです。
git commit -am "feat: ログアウト機能を追加"
ただし、新規ファイルは対象外なので注意してください。
まとめ
Git commit のコメントは、プロジェクトの「日記」のようなものです。
適切に書いておけば、後から振り返るときにとても役立ちます。
今回のポイントをまとめると...
コメントには「何を」「なぜ」変更したかを書く。 50文字前後を目安に、具体的に書く。 チームで決めたルールがあれば、それに従う。
最初は短くてもいいので、まずは書く習慣をつけることが大切です。
そして慣れてきたら、少しずつ詳しく書けるようになっていきましょう。
良いコミットコメントが書けるようになれば、チーム開発もスムーズに進みます。
ぜひ今日から実践してみてください!
著者について

とまだ
フルスタックエンジニア
Learning Next の創設者。Ruby on Rails と React を中心に、プログラミング教育に情熱を注いでいます。初心者が楽しく学べる環境作りを目指しています。
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