Gitブランチ(git branch)の作り方・切り替え方を初心者向けに解説
こんにちは、とまだです。
みなさん、Gitでブランチを作ろうとして「どのコマンドを使えばいいんだっけ」と迷ったことはありませんか?
今回は現役のエンジニア、そして元プログラミングスクール講師としての経験から、Gitブランチの作り方と切り替え方について解説します。
Gitブランチとは?木の枝で理解する基本概念
Gitのブランチを理解するには、木を想像してみてください。
大きな幹から枝が伸びていますよね。 それぞれの枝は独立して成長できます。 でも最終的には幹に栄養を送ります。
Gitのブランチもまったく同じです。
メインのコード(幹)から新しい作業用の枝を作ります。 その枝で安心して開発を進められます。 完成したら、メインに統合(マージ)します。
なぜブランチが必要なのか
たとえば、動いているWebサイトに新機能を追加する場面を考えてみましょう。
メインのコードに直接変更を加えると、ミスがあった場合にサイト全体が動かなくなるかもしれません。
そこでブランチの出番です。
新機能専用のブランチを作って開発すれば、メインのコードには影響しません。 テストが完了してから、安全にメインに統合できます。
これが、多くの開発現場でブランチが使われる理由です。
Gitブランチを作成する基本コマンド
事前準備:作業ツリーの状態確認
ブランチを作る前に、現在の状態を確認しましょう。
git status
このコマンドで、未コミットの変更がないか確認します。 変更が残っていると、ブランチ切り替え時にトラブルの原因になることがあります。
git branchでブランチを作る
新しいブランチを作る基本的なコマンドは以下です。
git branch develop
これで「develop」という名前のブランチが作成されます。 ただし、まだ作成しただけで、現在のブランチは変わっていません。
作成したブランチを確認してみましょう。
git branch
現在いるブランチには「*」マークが付いています。 新しく作った「develop」が一覧に表示されていれば成功です。
git checkout -bで一発作成
実は、ブランチ作成と切り替えを同時に行う便利なコマンドがあります。
git checkout -b feature/new-function
このコマンド一つで、新しいブランチの作成と切り替えが完了します。 実務では、こちらのコマンドを使うことが多いです。
ブランチを切り替える2つの方法
git checkoutで切り替え
既存のブランチに移動するには、以下のコマンドを使います。
git checkout develop
成功すると「Switched to branch 'develop'」というメッセージが表示されます。
git switchで切り替え(推奨)
最近のGitでは、より分かりやすいgit switch
コマンドが推奨されています。
git switch develop
git checkout
は他の用途でも使われるため、初心者には少し分かりにくい面がありました。
git switch
はブランチ切り替え専用なので、意図が明確です。
新しいブランチを作りながら切り替える場合は、以下のようにします。
git switch -c feature/new-function
これはgit checkout -b
と同じ動作をします。
よくあるトラブルと対処法
「Your local changes would be overwritten」エラー
このエラーは、未コミットの変更がある状態で別のブランチに切り替えようとしたときに発生します。
対処法は3つあります。
- 変更をコミットする
- 変更を破棄する(
git checkout -- .
) - 一時的に退避する(
git stash
)
開発中の変更を残したい場合は、git stash
が便利です。
git stash
git switch develop
# 作業後、元のブランチに戻って
git stash pop
コンフリクト(競合)の解決
複数のブランチで同じファイルの同じ部分を変更すると、マージ時にコンフリクトが発生します。
ファイルを開くと、以下のような記号が表示されます。
<<<<<<< HEAD
現在のブランチの内容
=======
マージしようとしているブランチの内容
>>>>>>> branch-name
これらの記号を削除し、正しい内容に修正してからコミットします。
実務でのブランチ運用パターン
フィーチャーブランチモデル
機能ごとにブランチを作る運用方法です。
main
└─ feature/user-login
└─ feature/payment-system
└─ feature/notification
それぞれの機能を独立して開発できるため、チーム開発でよく使われます。
ブランチの命名規則
実務では、以下のような命名規則がよく使われます。
- feature/xxx: 新機能開発用
- bugfix/xxx: バグ修正用
- hotfix/xxx: 緊急修正用
- release/xxx: リリース準備用
チームで統一した命名規則を使うことで、ブランチの目的が一目で分かります。
まとめ
Gitのブランチは、安全に開発を進めるための重要な機能です。
基本的なコマンドは以下の通りです。
- ブランチ作成:
git branch ブランチ名
- ブランチ切り替え:
git switch ブランチ名
- 作成と切り替えを同時に:
git switch -c ブランチ名
最初は戸惑うかもしれませんが、何度か使っているうちに自然と身につきます。
まずは個人プロジェクトで練習してみてください。 慣れてきたら、チーム開発でも積極的に活用していきましょう。
著者について

とまだ
フルスタックエンジニア
Learning Next の創設者。Ruby on Rails と React を中心に、プログラミング教育に情熱を注いでいます。初心者が楽しく学べる環境作りを目指しています。
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