SOAPとは?初心者でもわかるXMLベースの通信方式

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こんにちは、とまだです。

「SOAP」という言葉を聞いて、何のことかピンとこない方も多いのではないでしょうか?

実は、SOAPは企業間のシステム連携でよく使われる通信方式の一つです。

今回は、初心者の方でもスムーズに理解できるよう、身近な例えを交えながらSOAPについて解説していきます。

SOAPとは?

SOAPは「Simple Object Access Protocol」の略です。

簡単に言うと、異なるシステム間でデータをやりとりするための取り決めのようなものです。

郵便配達に例えてみると

SOAPの仕組みは、郵便配達によく似ています。

手紙(データ)を送るとき、封筒(Envelope)に入れますよね。

そして、宛先や差出人の情報(Header)を書きます。

最後に、本文(Body)を入れて送ります。

SOAPも同じような構造で、データを安全に届ける仕組みなんです。

なぜSOAPが必要なのか

「RESTがあるのに、なぜSOAPを使うの?」

そう思われる方もいるでしょう。

実は、SOAPには独自の強みがあります。

厳格なルールがメリットになる場面

例えば、銀行の送金システムを想像してみてください。

お金を扱うシステムでは、少しのミスも許されません。

そこで、SOAPの「厳格なルール」が力を発揮します。

XMLという形式でデータを定義することで、間違いが起きにくくなるんです。

SOAPメッセージの基本構造

SOAPのメッセージは、3つの主要な部分で構成されています。

それぞれの役割を見ていきましょう。

Envelope(封筒)

メッセージ全体を包む外側の部分です。

これがないと、SOAPメッセージとして認識されません。

Header(ヘッダー)

認証情報やセキュリティ設定など、制御情報を入れる場所です。

必須ではありませんが、実際の業務では頻繁に使われます。

Body(本文)

実際にやりとりしたいデータが入る場所です。

ここが、通信の中心となる部分ですね。

実際のコード例を見てみよう

Node.jsでSOAPを使う場合の簡単な例をご紹介します。

まず、必要なライブラリをインストールして準備します。

const soap = require("soap");
const url = "http://example.com/service?wsdl";

// SOAPサービスを呼び出す関数
async function callSoapService() {
  try {
    // クライアントを作成
    const client = await soap.createClientAsync(url);

    // パラメータを設定
    const args = {
      param1: "Hello",
      param2: 123
    };

    // サービスを呼び出し
    const [result] = await client.SomeOperationAsync(args);
    console.log("レスポンス:", result);

  } catch (error) {
    console.error("エラーが発生しました:", error);
  }
}

callSoapService();

このコードでは、WSDLというサービス定義ファイルを読み込んでいます。

そして、必要なパラメータを渡してサービスを呼び出しています。

SOAPが活躍する場面

現在でもSOAPが使われている場面をいくつかご紹介します。

金融システム

銀行や証券会社のシステムでは、今でもSOAPが活躍しています。

なぜなら、セキュリティ機能が充実しているからです。

WS-Securityという拡張機能を使えば、暗号化や認証も万全です。

企業間の取引

大企業同士がデータをやりとりする際にも使われます。

契約書類や請求書など、重要な書類を扱うときは確実性が大切です。

SOAPなら、データの形式が厳密に定義されるので安心です。

レガシーシステムとの連携

古いシステムと新しいシステムをつなぐ場合にも便利です。

既存のSOAPサービスを残しながら、新しい部分はRESTで作る。

そんな使い分けも可能です。

SOAPとRESTの違い

両者の特徴を比較してみましょう。

それぞれに向き不向きがあるので、使い分けが大切です。

  • SOAP: XMLベースで厳格、セキュリティ機能が充実
  • REST: JSONベースで軽量、実装がシンプル
  • SOAP: WSDLで仕様が明確、企業間連携に強い
  • REST: HTTPメソッドを活用、Webサービスに最適

プロジェクトの要件に応じて選択することが重要です。

SOAPを使う際の注意点

SOAPを使う際には、いくつか気をつけたい点があります。

XMLのデータ量

XMLはJSONと比べてデータ量が多くなりがちです。

頻繁に通信するサービスでは、パフォーマンスに影響することも。

ただし、圧縮技術を使えば改善できます。

WSDLの管理

サービスの仕様を定義するWSDLファイル。

これが変更されると、利用側も修正が必要になります。

チーム間での情報共有を密にすることが大切です。

まとめ

SOAPは、厳格なルールでデータをやりとりする通信方式です。

金融システムや企業間取引など、確実性が求められる場面で活躍します。

RESTとは異なる特徴を持つので、プロジェクトに応じて使い分けることが大切です。

今回紹介した基本を押さえれば、SOAPを使ったシステムも理解しやすくなるはずです。

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著者について

とまだ

とまだ

フルスタックエンジニア

Learning Next の創設者。Ruby on Rails と React を中心に、プログラミング教育に情熱を注いでいます。初心者が楽しく学べる環境作りを目指しています。

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