Python sum関数とは？リストの合計を計算する基本

みなさん、数字の合計を計算したいと思ったことはありませんか？

「テストの点数を合計したい」 「売上データを集計したい」 「リストの数値を足し算したい」

こんな場面って、プログラミングでよくありますよね。

でも大丈夫です！ この記事では、Pythonのsum関数について、基本から実践的な使い方まで、初心者の方でもわかりやすく解説します。

sum関数をマスターすれば、数値の合計計算がとても簡単になりますよ！

sum関数って何？

sum関数とは、リストに入った数値をすべて足し算してくれるPythonの便利な機能です。

従来の方法との比較

今まではこんな風に書いていましたよね。

# 従来の方法（forループを使う）
numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
total = 0

for num in numbers:
    total += num

print(total)  # 15

でも、sum関数を使えば、こんなに簡単になります。

# sum関数を使った方法
numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
total = sum(numbers)
print(total)  # 15

たった1行で合計が計算できました！

すごく簡単ですよね。

sum関数の基本形

sum関数の基本的な使い方はとてもシンプルです。

# 基本の形
sum(リスト)

# 例：テストの点数を合計
scores = [85, 92, 78, 95, 88]
total = sum(scores)
print(f"合計点: {total}")  # 合計点: 438

**sum()**の中に数値のリストを入れるだけで、自動的に全部足してくれます。

基本的な使い方をやってみよう

sum関数でいろんな数値を合計してみましょう。

整数の合計

まずは、整数（1、2、3のような数）から始めます。

# 整数のリストを合計
numbers = [10, 20, 30, 40, 50]
result = sum(numbers)
print(f"合計: {result}")  # 合計: 150

# 小さい数から大きい数まで
mixed_numbers = [1, 100, 5, 200, 50]
result2 = sum(mixed_numbers)
print(f"合計: {result2}")  # 合計: 356

どんな整数でも、きちんと合計してくれます。

小数の合計

小数（3.14のような数）も計算できます。

# 小数のリストを合計
prices = [100.5, 250.0, 150.25, 300.75]
total_price = sum(prices)
print(f"合計金額: {total_price}円")  # 合計金額: 801.5円

# 整数と小数が混ざっても大丈夫
mixed = [10, 20.5, 30, 40.25]
result = sum(mixed)
print(f"混合の合計: {result}")  # 混合の合計: 100.75

整数と小数が混ざっていても、問題なく計算してくれます。

タプルも使えます

リストだけでなく、タプル（）でも計算できます。

# タプルの合計
coordinates = (10, 20, 30)
total = sum(coordinates)
print(f"座標の合計: {total}")  # 座標の合計: 60

# 商品価格のタプル
product_prices = (1200, 800, 1500, 2000)
total_cost = sum(product_prices)
print(f"総額: {total_cost}円")  # 総額: 5500円

タプルでもリストでも、同じように使えて便利ですね。

初期値を指定してみよう

sum関数では、計算を始める前の数値（初期値）を指定できます。

初期値の使い方

# 普通のsum関数
numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
result1 = sum(numbers)
print(f"普通: {result1}")  # 普通: 15

# 初期値を100に設定
result2 = sum(numbers, 100)
print(f"初期値100: {result2}")  # 初期値100: 115

**sum(リスト, 初期値)**という形で、初期値を指定できます。

上の例では、100 + 1 + 2 + 3 + 4 + 5 = 115 になりました。

実用的な初期値の例

初期値は、こんな場面で便利です。

# 前月の売上が50000円
previous_sales = 50000

# 今月の日別売上
daily_sales = [2000, 3500, 1800, 4200, 2800]

# 累計売上を計算（前月分 + 今月分）
total_sales = sum(daily_sales, previous_sales)
print(f"累計売上: {total_sales}円")  # 累計売上: 64300円

# ポイントの合計（初期ポイント + 新しく獲得したポイント）
initial_points = 500
new_points = [50, 100, 25, 75]
total_points = sum(new_points, initial_points)
print(f"総ポイント: {total_points}pt")  # 総ポイント: 750pt

既存の値に新しい値を追加したい時にとても便利です。

空のリストはどうなる？

空のリスト（何も入っていないリスト）を計算してみましょう。

空リストの動作

# 空のリスト
empty_list = []
result = sum(empty_list)
print(f"空リストの合計: {result}")  # 空リストの合計: 0

# 初期値ありの空リスト
result_with_start = sum(empty_list, 100)
print(f"初期値ありの合計: {result_with_start}")  # 初期値ありの合計: 100

空のリストの場合は、初期値がそのまま結果になります。

初期値を指定しなかった場合は、0が返されます。

条件によって空になるリスト

# すべての数値が条件に合わない場合
numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
big_numbers = [n for n in numbers if n > 10]
print(f"10より大きい数: {big_numbers}")  # 10より大きい数: []

result = sum(big_numbers)
print(f"合計: {result}")  # 合計: 0

条件に合う数値がない場合も、安全に0が返されます。

実際に使ってみよう

sum関数を使った実用的な例をいくつか見てみましょう。

成績計算プログラム

学生の成績を集計してみます。

# 各科目の点数
math_scores = [85, 92, 78, 95]
english_scores = [88, 76, 90, 82]
science_scores = [92, 88, 85, 90]

# 各科目の合計を計算
math_total = sum(math_scores)
english_total = sum(english_scores)
science_total = sum(science_scores)

print(f"数学の合計: {math_total}点")
print(f"英語の合計: {english_total}点")
print(f"理科の合計: {science_total}点")

# 全科目の総合計
all_scores = math_scores + english_scores + science_scores
grand_total = sum(all_scores)
average = grand_total / len(all_scores)

print(f"総合計: {grand_total}点")
print(f"平均点: {average:.1f}点")

実行結果：

数学の合計: 350点 英語の合計: 336点 理科の合計: 355点 総合計: 1041点 平均点: 86.8点

家計簿プログラム

月の支出を管理してみましょう。

# 1週間ごとの支出
week1_expenses = [5000, 3200, 1800, 2500, 4000]
week2_expenses = [6000, 2800, 2200, 3500, 4500]
week3_expenses = [4500, 3000, 1500, 2800, 3800]
week4_expenses = [5500, 3800, 2000, 3200, 4200]

# 各週の合計
week1_total = sum(week1_expenses)
week2_total = sum(week2_expenses)
week3_total = sum(week3_expenses)
week4_total = sum(week4_expenses)

print("週別支出:")
print(f"第1週: {week1_total:,}円")
print(f"第2週: {week2_total:,}円")
print(f"第3週: {week3_total:,}円")
print(f"第4週: {week4_total:,}円")

# 月の合計支出
monthly_total = week1_total + week2_total + week3_total + week4_total
print(f"
月の総支出: {monthly_total:,}円")

実行結果：

週別支出: 第1週: 16,500円 第2週: 19,000円 第3週: 15,600円 第4週: 18,700円 月の総支出: 69,800円

ゲームのスコア計算

ゲームのポイント計算をしてみます。

# ステージごとのスコア
stage1_scores = [1000, 1500, 2000, 500]
stage2_scores = [2500, 3000, 1800, 2200]
stage3_scores = [3500, 4000, 2800, 3200]

# 各ステージの合計
stage1_total = sum(stage1_scores)
stage2_total = sum(stage2_scores)
stage3_total = sum(stage3_scores)

print("ステージ別スコア:")
print(f"ステージ1: {stage1_total:,}点")
print(f"ステージ2: {stage2_total:,}点")
print(f"ステージ3: {stage3_total:,}点")

# 最終スコア（ボーナスポイント付き）
bonus_points = 5000
final_score = sum([stage1_total, stage2_total, stage3_total], bonus_points)

print(f"
ボーナス: {bonus_points:,}点")
print(f"最終スコア: {final_score:,}点")

実行結果：

ステージ別スコア: ステージ1: 5,000点 ステージ2: 9,500点 ステージ3: 13,500点 ボーナス: 5,000点 最終スコア: 33,000点

条件付きで合計してみよう

特定の条件に合う数値だけを合計することもできます。

偶数だけ合計

# 1から10までの数値
numbers = [1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10]

# 偶数だけを抽出
even_numbers = [n for n in numbers if n % 2 == 0]
print(f"偶数: {even_numbers}")  # 偶数: [2, 4, 6, 8, 10]

# 偶数の合計
even_sum = sum(even_numbers)
print(f"偶数の合計: {even_sum}")  # 偶数の合計: 30

# 一行で書く方法
even_sum_short = sum([n for n in numbers if n % 2 == 0])
print(f"一行で書いた場合: {even_sum_short}")  # 一行で書いた場合: 30

偶数だけを選んで合計できました。

一定以上の値だけ合計

# テストの点数
test_scores = [45, 78, 92, 63, 88, 55, 97, 72]

# 70点以上の点数だけを合計
good_scores = [score for score in test_scores if score >= 70]
print(f"70点以上: {good_scores}")  # 70点以上: [78, 92, 88, 97, 72]

good_total = sum(good_scores)
average = good_total / len(good_scores)

print(f"70点以上の合計: {good_total}点")
print(f"70点以上の平均: {average:.1f}点")

条件に合う値だけを選んで計算できるので、とても便利ですね。

範囲指定で合計

# 商品価格リスト
prices = [500, 1200, 800, 2500, 300, 1800, 400, 3000]

# 1000円以上2000円以下の商品だけ
mid_range = [p for p in prices if 1000 <= p <= 2000]
print(f"1000-2000円の商品: {mid_range}")  # 1000-2000円の商品: [1200, 1800]

mid_total = sum(mid_range)
print(f"中価格帯の合計: {mid_total}円")  # 中価格帯の合計: 3000円

価格帯を指定して合計することもできます。

エラーを避けるコツ

sum関数を使う時の注意点を確認しましょう。

数値以外が混ざっている場合

sum関数は、数値以外があるとエラーになります。

# これはエラーになります
mixed_data = [1, 2, "3", 4, 5]

try:
    result = sum(mixed_data)
    print(result)
except TypeError as e:
    print(f"エラーが発生: {e}")
    
    # 数値だけを取り出して計算
    numbers_only = [x for x in mixed_data if isinstance(x, (int, float))]
    print(f"数値のみ: {numbers_only}")  # 数値のみ: [1, 2, 4, 5]
    
    result = sum(numbers_only)
    print(f"合計: {result}")  # 合計: 12

文字列や他のデータが混ざっている場合は、事前に数値だけを取り出しましょう。

安全な計算関数

エラーを防ぐための関数を作ってみます。

def safe_sum(data):
    """安全に数値の合計を計算する関数"""
    if not data:  # 空のリストの場合
        return 0
    
    numbers = []
    for item in data:
        if isinstance(item, (int, float)):
            numbers.append(item)
        else:
            print(f"'{item}'は数値ではないので無視します")
    
    return sum(numbers)

# テストしてみる
test_data = [1, 2, "hello", 3.5, None, 4]
result = safe_sum(test_data)
print(f"安全な合計: {result}")

実行結果：

'hello'は数値ではないので無視します 'None'は数値ではないので無視します 安全な合計: 10.5

この関数を使えば、どんなデータが入っていても安全に計算できます。

None値のチェック

None（何もない値）が含まれる場合の対処法です。

def calculate_total(scores):
    """スコアの合計を計算（None値を除外）"""
    if not scores:
        return 0
    
    # None以外の数値だけを抽出
    valid_scores = [score for score in scores if score is not None]
    
    if not valid_scores:
        print("有効なスコアがありません")
        return 0
    
    total = sum(valid_scores)
    print(f"有効なスコア数: {len(valid_scores)}")
    return total

# テストデータ
scores = [85, None, 92, 78, None, 95]
total = calculate_total(scores)
print(f"合計スコア: {total}")

実行結果：

有効なスコア数: 4 合計スコア: 350

まとめ

Pythonのsum関数について、基本から実践的な使い方まで詳しく解説しました。

今日覚えてほしいポイント

• sum関数は、リストの数値をすべて足し算してくれる
• 初期値を指定することもできる
• 空のリストでも安全に動作する
• 条件付き合計で特定の値だけを計算可能
• エラー対策も忘れずに

sum関数が活躍する場面

• 成績や点数の集計
• 売上や支出の計算
• ゲームのスコア計算
• データ分析や統計処理
• 家計簿やお小遣い帳

sum関数は、Pythonで数値を扱う時の基本的なツールです。 今日学んだことを活かして、実際に数値計算プログラムを作ってみてくださいね。

まずは簡単なリストの合計から始めて、徐々に複雑な計算にも挑戦してみましょう！ きっとプログラミングがもっと楽しくなりますよ。