Python print文の基礎|画面に文字を表示する方法
Python print文の基本的な使い方を初心者向けに解説。文字列表示、変数出力、改行制御など、print文の全ての機能を実例とともに詳しく紹介します。
Python print文の基礎|画面に文字を表示する方法
みなさん、プログラミングで最初に覚える機能は何だと思いますか?
「プログラムを書いても結果が見えないと動いているかわからない...」「print文って聞いたことがあるけど、どう使うの?」 こんな悩みを感じたことはないでしょうか?
実は、print文こそがプログラミングの第一歩です。 この記事を読めば、print文の使い方が完全に理解できるようになります。
今回は、Pythonのprint文について基礎から応用まで、実際のコード例とともに詳しく解説します。 一緒にprint文をマスターしていきましょう!
print文って何?
print文は、プログラムの結果を画面に表示するための機能です。
簡単に言うと、「コンピュータからあなたへのメッセージ表示機能」です。 計算結果や処理の状況を確認するために、画面に文字や数値を表示できます。
Pythonでは、print()
関数を使って、簡単に画面出力ができます。
print文の基本的な書き方
最もシンプルなprint文の使い方はこちらです。
print("Hello, World!")
このコードを実行すると、画面にHello, World!
と表示されます。
print()
の括弧の中に表示したい内容を書くだけです。
とても簡単ですよね!
print文が重要な理由
プログラミング学習において、print文は以下の理由で重要です。
- 結果の確認:プログラムが正しく動作しているかチェックできる
- デバッグ:問題の原因を特定するための情報を表示できる
- ユーザーとの対話:プログラムからユーザーへのメッセージを送れる
例えば、計算プログラムでは、計算結果をprint文で表示して確認します。 print文なしでは、プログラムが動いているかもわかりません。
文字列を表示してみよう
文字列を表示する場合は、文字をクォーテーションで囲みます。
基本的な文字列表示
文字列を表示する方法を見てみましょう。
# シングルクォーテーションprint('こんにちは')
# ダブルクォーテーションprint("こんにちは")
# どちらも同じ結果
実行結果はこちらです。
こんにちは
こんにちは
どちらの書き方でも同じ結果が得られます。 ただし、プログラム全体で統一して使うことをおすすめします。
複数行の文字列表示
長い文字列や複数行の文字列を表示する場合は、以下の方法があります。
# 複数行文字列(トリプルクォーテーション)print("""これは複数行の文字列です。改行も含まれます。""")
# 改行文字を使用print("1行目2行目3行目")
トリプルクォーテーション("""
)を使うと、改行を含む長い文字列を書けます。
は改行を表す特殊な文字です。
特殊文字の表示
文字列の中で特殊な文字を表示したい場合は、エスケープシーケンスを使います。
# タブ文字print("名前 年齢 職業")
# 改行文字print("こんにちはさようなら")
# クォーテーションの表示print("彼は「こんにちは」と言いました")print('彼は"Hello"と言いました')
実行結果はこちらです。
名前 年齢 職業
こんにちは
さようなら
彼は「こんにちは」と言いました
彼は"Hello"と言いました
はタブ文字で、きれいに整列された表示ができます。
変数を表示してみよう
変数に格納されている値を表示するには、変数名をprint文に渡します。
変数の基本的な表示
変数の値を表示する方法を見てみましょう。
name = "Python"age = 33print(name)print(age)
実行結果はこちらです。
Python
33
変数の値がそのまま画面に表示されます。 文字列の場合はクォーテーションなしで表示されます。
複数の変数を同時に表示
複数の変数を一度に表示する場合は、カンマで区切って指定します。
name = "田中"age = 25city = "東京"
print(name, age, city)# 結果: 田中 25 東京
カンマで区切ると、スペースで区切って表示されます。 3つの変数が1行にまとめて表示されて便利です。
変数と文字列の組み合わせ
変数の値と説明文を組み合わせて表示することもできます。
name = "佐藤"age = 30
print("名前:", name)print("年齢:", age)print("名前は", name, "で、年齢は", age, "歳です")
実行結果はこちらです。
名前: 佐藤
年齢: 30
名前は 佐藤 で、年齢は 30 歳です
このように書くことで、わかりやすい形で情報を表示できます。
数値を表示してみよう
数値を表示する場合は、クォーテーションで囲む必要がありません。
整数と小数の表示
数値をそのまま表示する方法を見てみましょう。
# 整数print(42)print(100)
# 小数print(3.14)print(2.5)
# 計算結果print(10 + 5)print(20 * 3)
実行結果はこちらです。
42
100
3.14
2.5
15
60
数値はそのまま表示され、計算結果も自動的に計算されて表示されます。
数値の書式指定
数値を特定の形式で表示したい場合は、書式指定を使います。
pi = 3.14159
# 小数点以下2桁まで表示print(f"{pi:.2f}") # 3.14
# 整数部分を0埋めで表示number = 5print(f"{number:03d}") # 005
f"{変数:.2f}"
は「小数点以下2桁まで表示」という意味です。
f"{変数:03d}"
は「3桁になるよう0で埋める」という意味です。
計算結果の表示
変数を使った計算結果も、print文で表示できます。
a = 10b = 3
print("足し算:", a + b)print("引き算:", a - b)print("掛け算:", a * b)print("割り算:", a / b)
実行結果はこちらです。
足し算: 13
引き算: 7
掛け算: 30
割り算: 3.3333333333333335
このように、計算結果をすぐに確認できるのがprint文の便利なところです。
文字列フォーマット
変数を文字列に組み込む、より便利な方法があります。
f-string(推奨方法)
Python 3.6以降では、f-stringを使った文字列フォーマットが推奨されています。
name = "山田"age = 28height = 170.5
print(f"名前: {name}")print(f"年齢: {age}歳")print(f"身長: {height}cm")print(f"{name}さんは{age}歳で、身長は{height}cmです")
実行結果はこちらです。
名前: 山田
年齢: 28歳
身長: 170.5cm
山田さんは28歳で、身長は170.5cmです
f-stringは、変数を{}
で囲んで文字列に埋め込む方法です。
とても読みやすく、現在最も推奨される方法です。
format()メソッド
従来の方法として、format()メソッドも使用できます。
name = "鈴木"age = 35
print("名前: {}".format(name))print("年齢: {}歳".format(age))print("{}さんは{}歳です".format(name, age))
実行結果はこちらです。
名前: 鈴木
年齢: 35歳
鈴木さんは35歳です
どちらの方法も同じ結果が得られます。 ただし、f-stringの方が読みやすく、推奨されています。
文字列フォーマットの応用
より複雑な文字列フォーマットも可能です。
price = 1500tax_rate = 0.1
print(f"価格: {price}円")print(f"税率: {tax_rate:.1%}")print(f"税込価格: {price * (1 + tax_rate):.0f}円")
実行結果はこちらです。
価格: 1500円
税率: 10.0%
税込価格: 1650円
:.1%
はパーセント表示、:.0f
は小数点以下を表示しない形式です。
print文のオプション
print文には、表示方法をカスタマイズできるオプションがあります。
sep(区切り文字)の指定
複数の値を表示する際の区切り文字を変更できます。
print("Apple", "Banana", "Orange")# 結果: Apple Banana Orange
print("Apple", "Banana", "Orange", sep=", ")# 結果: Apple, Banana, Orange
print("Apple", "Banana", "Orange", sep=" | ")# 結果: Apple | Banana | Orange
デフォルトではスペースで区切られます。
sep
オプションで好きな文字に変更できます。
end(終端文字)の指定
print文の最後に出力される文字を変更できます。
print("Hello", end="")print("World")# 結果: HelloWorld(改行なし)
print("処理中", end="...")print("完了")# 結果: 処理中...完了
デフォルトでは改行文字が出力されます。
end
オプションで改行を制御できます。
file(出力先)の指定
print文の出力先を変更することもできます。
import sys
print("通常の出力")print("エラー出力", file=sys.stderr)
# ファイルに出力with open("output.txt", "w") as f: print("ファイルに出力", file=f)
このように、画面以外の場所にも出力できます。 ログファイルの作成などで使われる機能です。
実践的な使用例
実際のプログラムで使われる例を見てみましょう。
ユーザー情報の表示
ユーザー情報を見やすく表示するプログラムです。
# ユーザー情報管理プログラムusers = [ {"name": "田中太郎", "age": 25, "city": "東京"}, {"name": "佐藤花子", "age": 30, "city": "大阪"}, {"name": "鈴木一郎", "age": 35, "city": "名古屋"}]
print("=== ユーザー一覧 ===")for user in users: print(f"名前: {user['name']}") print(f"年齢: {user['age']}歳") print(f"住所: {user['city']}") print("-" * 20)
実行結果はこちらです。
=== ユーザー一覧 ===
名前: 田中太郎
年齢: 25歳
住所: 東京
--------------------
名前: 佐藤花子
年齢: 30歳
住所: 大阪
--------------------
名前: 鈴木一郎
年齢: 35歳
住所: 名古屋
--------------------
このように、データの一覧表示にprint文を活用できます。
計算結果の表示
家計簿計算の結果を見やすく表示する例です。
# 家計簿計算プログラムincome = 300000 # 収入expenses = { "家賃": 80000, "食費": 40000, "光熱費": 15000, "通信費": 10000, "その他": 30000}
print("=== 家計簿 ===")print(f"収入: {income:,}円")print("--- 支出 ---")
total_expense = 0for category, amount in expenses.items(): print(f"{category}: {amount:,}円") total_expense += amount
print(f"支出合計: {total_expense:,}円")print(f"残高: {income - total_expense:,}円")
実行結果はこちらです。
=== 家計簿 ===
収入: 300,000円
--- 支出 ---
家賃: 80,000円
食費: 40,000円
光熱費: 15,000円
通信費: 10,000円
その他: 30,000円
支出合計: 175,000円
残高: 125,000円
{:,}
を使うことで、数値にカンマを入れて読みやすくできます。
デバッグ情報の表示
プログラムの動作確認にprint文を使う例です。
def calculate_bmi(weight, height): print(f"DEBUG: 体重={weight}kg, 身長={height}m") bmi = weight / (height ** 2) print(f"DEBUG: BMI計算結果={bmi}") if bmi < 18.5: category = "やせ" elif bmi < 25: category = "普通" else: category = "肥満" print(f"DEBUG: カテゴリ={category}") return bmi, category
# 使用例result_bmi, result_category = calculate_bmi(60, 1.7)print(f"BMI: {result_bmi:.1f} ({result_category})")
実行結果はこちらです。
DEBUG: 体重=60kg, 身長=1.7m
DEBUG: BMI計算結果=20.761245674740486
DEBUG: カテゴリ=普通
BMI: 20.8 (普通)
DEBUG:
をつけることで、デバッグ用の情報だとわかりやすくなります。
よくある間違いと対処法
print文を使用する際の、よくある間違いを見てみましょう。
よくある間違い
以下のような間違いをしがちです。
# 間違い1: クォーテーションの忘れprint(Hello) # NameError
# 正しいprint("Hello")
# 間違い2: 変数名の間違いname = "Python"print(nam) # NameError
# 正しいprint(name)
# 間違い3: 括弧の忘れprint "Hello" # SyntaxError (Python 3)
# 正しいprint("Hello")
これらの間違いを避けることで、スムーズにprint文を使用できます。
エラーメッセージの読み方
print文でエラーが発生した場合のエラーメッセージを理解しましょう。
# NameError の例print(undefined_variable)# NameError: name 'undefined_variable' is not defined
# SyntaxError の例print("Hello" + )# SyntaxError: invalid syntax
エラーメッセージを読むことで、問題の原因を特定できます。 エラーを恐れずに、メッセージから学ぶことが大切です。
まとめ
Python print文の基礎から応用まで、詳しく解説しました。
今回学んだポイント
- 文字列表示:クォーテーションで囲んで表示
- 変数出力:変数名をそのまま渡して表示
- 数値表示:クォーテーション不要で直接表示
- 文字列フォーマット:f-stringで変数を組み込み表示
- オプション指定:sep、end、fileで表示方法をカスタマイズ
print文は、プログラミング学習の基礎となる重要な機能です。 結果の確認、デバッグ、ユーザーとの対話など、様々な場面で活用できます。
ぜひ今日からprint文を使って、様々な情報を画面に表示してみてください! まずは簡単な文字列表示から始めて、徐々に複雑な表示方法に挑戦してみましょう。
きっと、プログラミングがもっと楽しくなりますよ。