Python help関数入門|関数の使い方を調べる基本

Python help関数の基本的な使い方と実用的な活用法を初心者向けに解説。関数やモジュールの使い方を効率的に調べる方法を学びましょう。

Learning Next 運営
14 分で読めます

みなさん、Pythonでプログラミングしていて「この関数、どうやって使うんだっけ?」と困ったことはありませんか?

「引数は何を渡せばいいの?」 「戻り値は何が返ってくるの?」 「オプションはどんなものがあるの?」

そんな疑問を抱えた時におすすめなのが、help関数です。 でも大丈夫です!

この記事では、Python help関数の使い方を初心者向けに分かりやすく解説します。 困った時にすぐに調べられるようになりますよ!

help関数って何?

help関数は、関数やモジュールの使い方をその場で表示してくれる、Pythonの便利な組み込み関数です。 簡単に言うと、「使い方マニュアル」を見せてくれる機能なんです。

基本的な使い方

まずは基本的な使い方を見てみましょう:

# help関数の基本的な使い方
help(print)

これだけで、print関数の詳しい使い方が表示されます。 とても簡単ですよね。

ヘルプで表示される情報

help関数で表示される情報には、こんなものが含まれています:

  • 関数の役割説明
  • 引数の詳細と初期値
  • 戻り値の説明
  • 使用例(場合によって)

必要な情報がまとまって表示されるので、とても便利です。

基本的な使用例

よく使われる関数のヘルプを実際に見てみましょう。 どんな情報が得られるか体験してください。

print関数のヘルプ

まずは、最もよく使うprint関数から:

# print関数のヘルプを表示
help(print)

実行すると、このような情報が表示されます:

print(value, ..., sep=' ', end=' ', file=sys.stdout, flush=False) Print values to a stream, or to sys.stdout by default.

引数の初期値やオプション設定が詳しく説明されます。 sependといったオプションの存在も確認できますね。

len関数のヘルプ

次に、len関数を見てみましょう:

# len関数のヘルプを表示
help(len)

実行結果:

len(obj, /) Return the number of items in a container.

シンプルに関数の役割と使用方法が説明されます。

input関数のヘルプ

ユーザー入力を受け取るinput関数も確認してみましょう:

# input関数のヘルプを表示
help(input)

実行結果:

input(prompt='') Read a string from standard input.

プロンプトメッセージのオプション設定方法も分かります。

モジュールのヘルプ確認

help関数は、モジュール全体のヘルプも表示できます。 新しいモジュールを学ぶ時に特に便利ですよ。

標準モジュールのヘルプ

Pythonの標準モジュールのヘルプを見てみましょう:

# mathモジュールのヘルプ
import math
help(math)
# datetimeモジュールのヘルプ
import datetime
help(datetime)
# randomモジュールのヘルプ
import random
help(random)

モジュールに含まれる関数の一覧と、それぞれの簡単な説明が表示されます。 新しいモジュールを使う時の第一歩として最適です。

特定のモジュール関数のヘルプ

モジュール内の個別の関数についても詳しく調べられます:

# mathモジュールの個別関数
import math
help(math.sqrt) # 平方根関数
help(math.ceil) # 切り上げ関数
help(math.floor) # 切り捨て関数

使いたい関数の詳細な使い方が分かります。

データ型のヘルプ確認

Pythonの基本的なデータ型についても、ヘルプを確認できます。 メソッドの使い方で迷った時に便利です。

文字列のヘルプ

文字列とそのメソッドのヘルプを見てみましょう:

# 文字列型のヘルプ
help(str)
# 文字列の特定のメソッドのヘルプ
help(str.split)
help(str.replace)
help(str.format)

実行例:

help(str.split)

実行結果:

split(sep=None, maxsplit=-1) Return a list of the words in the string, using sep as delimiter.

文字列のメソッドの使い方が詳しく説明されます。

リストのヘルプ

リストとその操作メソッドも確認できます:

# リスト型のヘルプ
help(list)
# リストの特定のメソッドのヘルプ
help(list.append)
help(list.remove)
help(list.sort)

リストの操作方法で困った時にすぐに確認できます。

辞書のヘルプ

辞書の操作方法も効率的に学習できます:

# 辞書型のヘルプ
help(dict)
# 辞書の特定のメソッドのヘルプ
help(dict.get)
help(dict.keys)
help(dict.values)

辞書のメソッドの詳細が分かります。

実践的な活用方法

help関数を効果的に使うための実践的な方法を紹介します。 日常のプログラミングで活用してみてください。

不明な関数の調査

知らない関数に出会った時の調べ方です:

# 初めて見る関数の使い方を確認
help(enumerate) # enumerate関数の使い方
help(zip) # zip関数の使い方
help(map) # map関数の使い方

新しい関数に出会った時、すぐに使い方を確認できます。 実際に使う前に、必ず一度は確認する習慣をつけましょう。

オプション引数の確認

複雑な関数のオプション引数を調べる時に便利です:

# オプション引数の詳細を確認
help(sorted) # sorted関数のkey, reverseオプション
help(open) # ファイルのモードオプション
help(range) # range関数のstepオプション

実行例:

help(sorted)

実行結果:

sorted(iterable, /, *, key=None, reverse=False) Return a new list containing all items from the iterable in sorted order.

複雑なオプション引数の使い方も理解できるようになります。

エラー解決に活用

エラーが発生した時の調査にも役立ちます:

# エラーが発生した時の確認例
def debug_function():
try:
data = [1, 2, 3]
result = data.append(4) # Noneが返される
print(result)
except AttributeError:
help(list.append) # 正しい使い方を確認
debug_function()

期待した動作をしない時は、help関数で仕様を確認しましょう。

対話型ヘルプの使用

help関数は、対話型でも使用できます。 より詳細な調査をしたい時に便利です。

対話型ヘルプの開始

引数なしでhelp()を実行すると、対話型ヘルプが開始されます:

# 対話型ヘルプの開始
help()

対話型ヘルプ内では、このようなコマンドが使えます:

help> modules # 利用可能なモジュール一覧 help> keywords # Pythonキーワード一覧 help> topics # 利用可能なトピック一覧 help> quit # ヘルプ終了

より詳細な調査ができる対話型モードも活用してみてください。

対話型ヘルプでの検索

対話型ヘルプでは、Python の概念について体系的に学習できます:

help()
# help> topics # 利用可能なトピック一覧
# help> LISTS # リストに関する詳細説明
# help> FUNCTIONS # 関数に関する詳細説明

基礎概念を深く理解したい時に使ってみてください。

よくある使用場面

実際の開発で help関数がよく使われる場面を見てみましょう。 こんな時に活用できます。

新しいライブラリの学習

外部ライブラリを学習する時の使い方です:

# 新しいライブラリを学習する時
import requests
help(requests.get) # HTTP GETリクエストの方法
# データ分析ライブラリの学習
import pandas as pd
help(pd.DataFrame) # DataFrameの使い方

外部ライブラリの使い方も効率的に学習できます。

デバッグ作業

想定通りに動かない時の確認方法です:

# 想定通りに動かない時の確認
data = [1, 2, 3, 4, 5]
help(data.sort) # sortメソッドの詳細確認
# 戻り値の有無を確認
help(list.append) # appendは戻り値がNoneであることを確認

期待した動作をしない時の原因調査に活用できます。

効率的な学習

体系的にPythonの機能を学習する時の方法です:

# 関連する機能をまとめて学習
help(str.join) # join方法の正しい使い方
help(str.split) # split方法の詳細オプション
help(str.strip) # strip方法の種類と使い分け

関連する機能をまとめて調べることで、理解が深まります。

help関数と他の調査方法

help関数以外の調査方法との違いを理解しましょう。 組み合わせて使うと、より効果的です。

dir関数との違い

dir関数とhelp関数の使い分けです:

# dir(): 利用可能な属性・メソッドの一覧
print(dir(str)) # 文字列の全メソッド名を表示
# help(): 詳細な使用方法
help(str.replace) # replace方法の詳細説明

dir()でメソッド名を確認してから、help()で詳細を調べる流れが効果的です。

type関数との組み合わせ

type関数と組み合わせた使い方です:

# type(): オブジェクトの型を確認
data = [1, 2, 3]
print(type(data)) # <class 'list'>
# help(): その型の詳細を確認
help(type(data)) # リスト型の詳細説明

オブジェクトの型を確認してから、その型の詳細を調べる方法です。

注意点とコツ

help関数を使用する際の注意点とコツを紹介します。 これらを知っていると、より効率的に使えますよ。

表示量の管理

情報量が多い場合の対処法です:

# 情報量が多い場合
help(str) # 文字列の全情報(かなり多い)
help(str.split) # 特定のメソッドに絞る(推奨)

大きなモジュールやクラスの場合、情報量が多くなります。 必要な部分に絞って調査することが重要です。

英語での表示について

help関数は英語で表示されますが、心配いりません:

# help関数は英語で表示される
help(print)
# 重要な部分に注目する:
# - 関数名と引数の部分
# - 簡潔な説明文
# - 引数の初期値

英語が苦手でも、重要な部分は理解しやすい形で書かれています。

実際に試すことの重要性

helpで確認した後は、実際にコードを実行しましょう:

# helpで確認した後は実際に試す
help(str.split) # 使い方を確認
# 実際に実行して理解を深める
text = "hello world python"
result = text.split()
print(result) # ['hello', 'world', 'python']
# オプションも試してみる
result2 = text.split(" ", 1) # 最大1回だけ分割
print(result2) # ['hello', 'world python']

ヘルプで確認した後は、実際にコードを書いて動作を確認することが大切です。

まとめ

Python help関数は、関数やモジュールの使い方を効率的に調べるための重要なツールです。

今回学んだポイント

  • help関数で詳細な関数説明を確認できる
  • モジュールやデータ型のヘルプも表示可能
  • 対話型ヘルプでより詳細な調査ができる
  • 他の調査方法と組み合わせて効果的に活用

活用場面

  • 新しい関数やライブラリの学習
  • エラーが発生した時の原因調査
  • オプション引数の詳細確認
  • 体系的なPython機能の学習

プログラミング学習では、わからないことを自分で調べる能力が重要です。 help関数を活用して、効率的にPythonの知識を身につけていきましょう。

困った時は、まずhelp関数で調べてみる習慣をつけることをおすすめします! きっとプログラミングがもっと楽しくなるはずです。

関連記事