Python初心者が知るべき|プログラミングの基本用語

Python初心者向けにプログラミングの基本用語を分かりやすく解説。変数、関数、ライブラリなど、学習に必要な重要な概念を理解できます。

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Python初心者が知るべき|プログラミングの基本用語

みなさん、Python学習を始めたとき「専門用語がわからない!」と困ったことはありませんか?

プログラミングの世界には、たくさんの専門用語が出てきますよね。 「変数って何?」「関数って何のこと?」こんな疑問を持つのは当然です。

実は、基本的な用語を理解するだけでPython学習がグッと楽になるんです。 この記事では、Python初心者の方が最初に覚えておくべき用語を、具体例とともにやさしく解説します。

一つずつ覚えていけば大丈夫!一緒に学んでいきましょう。

データを扱う基本用語

変数:データを入れる「箱」のようなもの

変数とは、データを一時的に保存する「箱」のようなものです。

この箱に名前をつけて、後で中身を取り出したり変更したりできます。 イメージとしては、ラベルを貼った収納ボックスみたいな感じですね。

# 変数の例
name = "田中太郎" # 文字列を保存
age = 25 # 数値を保存
is_student = True # 真偽値を保存
print(name) # 田中太郎
print(age) # 25

このコードでは、nameageis_studentという3つの変数を作っています。 それぞれに違う種類のデータを保存していますね。

変数を使うことで、同じデータを何度も使い回すことができます。

データ型:データの「種類」を表すもの

データ型とは、データの種類を表すものです。

Pythonでは、文字列、数値、真偽値など、様々なデータ型があります。 料理でいうと「野菜」「肉」「調味料」みたいな分類ですね。

# 主なデータ型
text = "Hello" # 文字列型(str)
number = 42 # 整数型(int)
decimal = 3.14 # 小数型(float)
flag = True # 真偽値型(bool)
# 型を確認
print(type(text)) # <class 'str'>
print(type(number)) # <class 'int'>

type()という関数を使うと、データの型を確認できます。 データ型を理解することで、適切なデータ操作ができるようになります。

文字列:文字の集まりを表すデータ

文字列は、文字の集まりを表すデータ型です。

クォーテーション(")で囲んで表現します。 メールの文章や、ゲームのメッセージなどに使われます。

# 文字列の例
greeting = "こんにちは"
message = "Python学習中です"
# 文字列の連結
full_message = greeting + "、" + message
print(full_message) # こんにちは、Python学習中です
# 文字列の長さ
print(len(greeting)) # 5

文字列同士は「+」で繋げることができます。 len()関数で文字数も調べられますよ。

プログラムの構造に関する用語

関数:処理をまとめた「道具」のようなもの

関数とは、特定の処理をまとめて名前をつけたものです。

同じ処理を何度も使いたい場合に便利です。 イメージとしては、便利な「道具」を作っておく感じですね。

# 関数の定義
def greet(name):
"""挨拶をする関数"""
return f"こんにちは、{name}さん"
# 関数の呼び出し
message = greet("田中")
print(message) # こんにちは、田中さん

この例では、greetという名前の関数を作りました。 この関数は、名前を受け取って挨拶メッセージを作ってくれます。

# 計算をする関数
def calculate_area(width, height):
"""長方形の面積を計算"""
return width * height
area = calculate_area(5, 3)
print(area) # 15

このように、計算処理も関数にまとめることができます。

関数を使うことで、同じコードを何度も書く必要がなくなります。

引数:関数に渡す「材料」のようなもの

引数とは、関数に渡すデータのことです。

関数が処理を行うために必要な情報を提供します。 料理でいうと「材料」みたいなものですね。

# 引数の例
def introduce(name, age):
print(f"私の名前は{name}で、{age}歳です")
# 関数呼び出し時に引数を渡す
introduce("佐藤", 30) # nameとageが引数

この例では、nameageという2つの引数を関数に渡しています。 引数を変えることで、違う結果を得ることができます。

戻り値:関数が返してくれる「結果」

戻り値とは、関数が処理を終えた後に返すデータのことです。

自動販売機で言うと、お金を入れて(引数)、商品が出てくる(戻り値)イメージです。

# 戻り値の例
def add_numbers(a, b):
result = a + b
return result # 計算結果を返す
# 戻り値を受け取る
total = add_numbers(10, 20)
print(total) # 30

return文を使って、計算結果を戻り値として返しています。

# 戻り値がない関数
def print_message():
print("メッセージです")
# returnがない場合、Noneが返される

戻り値がない関数もあります。 その場合は、画面に表示するだけの処理になります。

プログラムの流れを制御する用語

条件分岐:状況に応じて処理を変える仕組み

条件分岐とは、条件によって異なる処理を実行することです。

if文を使って表現します。 「もし〜なら〜する」という日常の判断と同じですね。

# 条件分岐の例
score = 85
if score >= 90:
print("優秀です")
elif score >= 70:
print("良好です")
else:
print("頑張りましょう")

この例では、点数によって違うメッセージを表示しています。 90点以上なら「優秀」、70点以上なら「良好」、それ以外なら「頑張りましょう」です。

# 複数の条件
age = 20
has_license = True
if age >= 18 and has_license:
print("運転できます")
else:
print("運転できません")

複数の条件を組み合わせることもできます。

ループ:同じ処理を繰り返す仕組み

ループとは、同じ処理を繰り返し実行することです。

for文やwhile文を使います。 手作業では大変な繰り返し作業を、自動化してくれます。

# forループの例
fruits = ["りんご", "みかん", "バナナ"]
for fruit in fruits:
print(f"好きな果物: {fruit}")

この例では、果物のリストから一つずつ取り出して表示しています。

# 数値のループ
for i in range(5):
print(f"回数: {i + 1}")
# whileループの例
count = 0
while count < 3:
print(f"カウント: {count}")
count += 1

range(5)は0から4までの数字を作ってくれます。 while文は条件が満たされている間、繰り返し続けます。

イテレーション:データを順番に処理すること

イテレーションとは、データの集合を一つずつ順番に処理することです。

ループと似ていますが、もう少し広い概念です。 本のページを1ページずつめくるようなイメージですね。

# イテレーションの例
numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
# リストの各要素を処理
for number in numbers:
print(number * 2)
# 文字列のイテレーション
text = "Python"
for char in text:
print(char) # P, y, t, h, o, n

文字列も一文字ずつ処理することができます。

データをまとめて管理する用語

リスト:複数のデータを順番に並べる入れ物

リストとは、複数のデータを順序を保って格納するデータ構造です。

買い物リストや、生徒の名簿みたいなものですね。 角括弧([])で囲んで表現します。

# リストの例
fruits = ["りんご", "みかん", "バナナ"]
numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
# リストの操作
fruits.append("ぶどう") # 追加
print(fruits[0]) # りんご(最初の要素)
print(len(fruits)) # 4(要素数)
# リストの変更
fruits[1] = "オレンジ"
print(fruits) # ['りんご', 'オレンジ', 'バナナ', 'ぶどう']

リストは後から要素を追加したり、変更したりできます。

辞書:名前でデータを管理する仕組み

辞書とは、キーと値のペアでデータを格納するデータ構造です。

本当の辞書と同じで、「単語(キー)」で「意味(値)」を探すイメージです。 波括弧({})で囲んで表現します。

# 辞書の例
student = {
"name": "田中太郎",
"age": 20,
"grade": "A"
}
# 辞書の操作
print(student["name"]) # 田中太郎
student["age"] = 21 # 値の変更
student["subject"] = "数学" # 新しいキーと値の追加
print(student)
# {'name': '田中太郎', 'age': 21, 'grade': 'A', 'subject': '数学'}

辞書は、名前でデータを管理したい場合にとても便利です。

インデックス:データの「位置」を示す番号

インデックスとは、リストや文字列の要素位置を示す番号です。

Pythonでは0から始まります。 本のページ番号みたいなものですが、0ページから始まると考えてください。

# インデックスの例
fruits = ["りんご", "みかん", "バナナ"]
print(fruits[0]) # りんご(1番目の要素)
print(fruits[1]) # みかん(2番目の要素)
print(fruits[-1]) # バナナ(最後の要素)
# 文字列のインデックス
text = "Python"
print(text[0]) # P
print(text[2]) # t

マイナスの数字を使うと、後ろから数えることができます。

オブジェクト指向プログラミングの用語

クラス:オブジェクトの「設計図」のようなもの

クラスとは、オブジェクトの設計図のようなものです。

車の設計図から実際の車を作るように、クラスからオブジェクトを作ります。 同じ性質を持つものの共通部分を定義します。

# クラスの定義
class Car:
def __init__(self, brand, color):
self.brand = brand
self.color = color
def start(self):
print(f"{self.brand}の車を始動しました")
def stop(self):
print(f"{self.brand}の車を停止しました")
# クラスの使用
my_car = Car("トヨタ", "赤")
my_car.start() # トヨタの車を始動しました

この例では、車のクラスを定義しています。 どの車も共通して持つ「ブランド」「色」「始動」「停止」を定義しました。

オブジェクト:クラスから作られた「実物」

オブジェクトとは、クラスから作成された実体のことです。

インスタンスとも呼ばれます。 設計図(クラス)から作られた実物(オブジェクト)というイメージです。

# オブジェクトの作成
car1 = Car("ホンダ", "青") # 1つ目のオブジェクト
car2 = Car("日産", "白") # 2つ目のオブジェクト
# それぞれ異なるオブジェクト
print(car1.brand) # ホンダ
print(car2.brand) # 日産

同じクラスから、複数の異なるオブジェクトを作成できます。 それぞれ独立した存在です。

メソッド:オブジェクトができる「動作」

メソッドとは、クラス内で定義された関数のことです。

オブジェクトに対して実行できる処理を表します。 車でいうと「エンジンをかける」「ブレーキをかける」みたいな動作ですね。

class Calculator:
def __init__(self):
self.result = 0
def add(self, number):
"""足し算メソッド"""
self.result += number
return self.result
def multiply(self, number):
"""掛け算メソッド"""
self.result *= number
return self.result
# メソッドの使用
calc = Calculator()
calc.add(5) # 5
calc.multiply(3) # 15

メソッドを使うことで、オブジェクトの状態を操作できます。

エラーに関する用語

エラー:プログラムの「問題」や「不具合」

エラーとは、プログラムの実行中に発生する問題のことです。

文法エラーや実行時エラーなど、様々な種類があります。 車でいうとエンジントラブルのようなものですね。

# よくあるエラーの例
# 文法エラー(SyntaxError)
# print("Hello World" # 括弧が閉じていない
# 名前エラー(NameError)
# print(undefined_variable) # 定義されていない変数
# 型エラー(TypeError)
# result = "10" + 5 # 文字列と数値の足し算

エラーを理解することで、問題の原因を特定しやすくなります。 最初は怖く感じるかもしれませんが、慣れれば大丈夫です!

例外処理:エラーが起きたときの「対処法」

例外処理とは、エラーが発生した場合の対処方法を定義することです。

try文とexcept文を使います。 「もしエラーが起きたら、こうする」という準備をしておく感じです。

# 例外処理の例
def safe_division(a, b):
try:
result = a / b
return result
except ZeroDivisionError:
print("エラー: ゼロで割ることはできません")
return None
except TypeError:
print("エラー: 数値を入力してください")
return None
# 使用例
print(safe_division(10, 2)) # 5.0
print(safe_division(10, 0)) # エラーメッセージ

例外処理を使うことで、エラーが発生してもプログラムが止まらないようにできます。

他の人が作った便利な機能に関する用語

ライブラリ:便利な機能をまとめた「道具箱」

ライブラリとは、よく使用される機能をまとめたプログラムの集合です。

他の人が作成した便利な機能を利用できます。 工具箱に入った便利な道具みたいなものですね。

# ライブラリの使用例
import math
# 数学ライブラリの使用
print(math.sqrt(16)) # 4.0(平方根)
print(math.pi) # 3.141592653589793(円周率)
# 日付ライブラリの使用
import datetime
now = datetime.datetime.now()
print(now.strftime("%Y-%m-%d")) # 2024-07-07

ライブラリを使うことで、複雑な処理を簡単に実装できます。

モジュール:機能をまとめた「ファイル」

モジュールとは、Pythonコードが書かれたファイルのことです。

関数やクラスをまとめて、他のプログラムから使用できます。 レシピ集みたいなものですね。

# my_module.py というファイルを作成
def greet(name):
return f"こんにちは、{name}さん"
def calculate_tax(price):
return price * 0.1
# 別のファイルでモジュールを使用
import my_module
message = my_module.greet("田中")
tax = my_module.calculate_tax(1000)

モジュールを使うことで、コードを整理して再利用できます。

インポート:他の機能を「取り込む」こと

インポートとは、他のモジュールやライブラリを現在のプログラムで使用できるようにすることです。

必要な道具を工具箱から取り出すイメージです。

# インポートの様々な方法
# 1. モジュール全体をインポート
import math
print(math.sqrt(25))
# 2. 特定の関数だけをインポート
from math import sqrt, pi
print(sqrt(25))
print(pi)
# 3. 別名をつけてインポート
import datetime as dt
now = dt.datetime.now()

インポートを使うことで、必要な機能だけを効率的に使用できます。

まとめ

Python初心者が知っておくべき基本的なプログラミング用語をまとめました。

覚えておくべき用語を分野別に整理すると、以下のようになります。

データ関連の用語

  • 変数、データ型、文字列

プログラム構造の用語

  • 関数、引数、戻り値

制御構造の用語

  • 条件分岐、ループ、イテレーション

データ構造の用語

  • リスト、辞書、インデックス

オブジェクト指向の用語

  • クラス、オブジェクト、メソッド

エラー処理の用語

  • エラー、例外処理

ライブラリ関連の用語

  • ライブラリ、モジュール、インポート

最初は覚えることが多く感じるかもしれませんが、心配いりません。 実際にコードを書きながら少しずつ覚えていけば、自然に身につきます。

用語を理解することで、Python学習がより効率的に進むはずです。 ぜひ、この記事を参考にしながらPython学習を続けてくださいね!

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